増やすより、減らさない投資信託ってどんなもの?

 運用資産を「大きく増やす」ことよりも、「減らさない」ことに主眼を置いた投資信託があることをご存じでしょうか。

 このタイプの投資信託は、「低リスクファンド」「リスク調整型ファンド」などと呼ばれ、複数の資産に投資するバランス型が主流になっています。株式や債券といった伝統的資産の他、REIT(リート:不動産投資信託)や金(ゴールド)などの代替資産を組み入れたものもあります。最大のポイントは、リスク(基準価額の変動幅)を一定水準に抑えるべく、高度な分散投資を行う点にあります。

 こうした「減らさない」ことを目的とした運用手法は、2000年代後半の世界的な金融危機以降、いわゆるプロ(機関投資家)の世界で多く取り入れられるようになりました。

 プロではない、一般個人の資産運用・資産形成においても、資金の性格によっては、最初からリスクを抑えた商品を取り入れた方がよいケースはあります。

 代表的なのは、退職金や教育資金など、数年以内に使うことが決まっている資金です。あるいは、相続によって受け取った資金など、「減らしたくない」という明確なニーズがある場合も、最初から低リスク型の投資信託を選んだほうがよいでしょう。

 では、ここでクイズです。

クイズ基準価額1万円で運用を開始した投資信託が15%値下がりし、8,500円になりました。この投資信託が再び基準価額1万円を回復するには、何%のリターン(利益)が必要でしょうか。