※本記事は2020年2月12日に公開したものです。

 いよいよ今年も確定申告のシーズンがやってきました。会社勤めの方は確定申告とはあまり縁がないことも多いのですが、中には必要な人や確定申告をしたほうがお得な人もいます。どんな場合でしょうか?

そもそも確定申告がなぜ必要なのか

「確定申告とはなんですか?」と聞かれたら、皆さん、どのように答えますか? 確定申告、なんとなく頭ではイメージしていても、実際にはどのようなものなのか、そしてなぜ必要なのかを分かっている人は意外に少ないのではないでしょうか。

 所得税の場合、確定申告とは、個人が前年1年分に得た所得や、それにかかる税金を計算したうえで、3月15日(3月15日が休日の場合は次の平日)までに確定申告書を提出するとともに税額の納付をすることをいいます。

 我が国では、自分が得た所得や税金の計算は自分自身で行うことになっています。ですから確定申告をすることにより、所得や税額を明らかにしたうえで、税金を納める必要があるのです。

年末調整と確定申告の違いは?

 でも、会社員の多くは給与所得があるにもかかわらず、確定申告をしていません。会社が年末調整を行っているからです。

 本来は会社員であっても確定申告書を作成して提出するのが原則です。ただ、会社員に確定申告の負担をかけるのは大変だし、税務署の側としても大量の申告書が提出されると事務処理が回らなくなってしまいます。

 そのため、給与所得しか所得のない会社員については、確定申告をする代わりに年末調整という手続きを踏むことにより、確定申告をしなくても納税(給与からの天引き等)まで会社の方で行ってくれているのです。
 あくまでも確定申告するのが原則で、年末調整は特例という位置づけです。

 実はこのことが、会社員の税に対する意識の低さにつながっているといわれています。どのような場合に確定申告が必要かを知らないため、確定申告をしなければならないのに、忘れてしまいます。逆に確定申告をした方が有利なのにそのことを知らず、確定申告をしなかった、というケースもあります。