本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは103.79

下値メドは103.35

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

終わり良ければ総て良し

 2020年のマーケットも今週で終了です。

 今年のドル/円の高値(円の安値)は、2月20日につけた112.22円。この時は、米企業買収絡みでドル買いのフローがドル/円を押し上げたのですが、よりファンダメンタルズな理由として、日本経済に対する懸念がありました。日本の2019年10-12月期GDPは、前期比年率▲7.1%という大幅な落ち込み。消費税10%引き上げが景気を悪化させました。GDPは、続く2020年1-3月期は▲2.2%、4-6月期は▲28.1%と3期連続でマイナス成長。新型肺炎(当時は新型コロナをこう呼んでいました)が日本の景気後退(リセッション)の元凶であることは明らかですが、その前から日本経済は基礎疾患を患っていたという事実を忘れてはいけないです。政治家が給付金を出し渋ったり、キャンペーンを無理やり続けたりしたのは、そのような事情があるのです。

 同時期の米国経済はどうだったかというと、失業率は半世紀ぶりの低さで景気指数も強く、少なくとも新型肺炎の影響もまだ軽微。ドル高/円安に動くのもある意味自然でした。


 ところが、それから3週間足らずのうちに、世界は一気に暗転しました。新型コロナ感染が急速に拡大し、FRB(米連邦準備制度理事会)は3月3日に、約11年ぶりとなる利下げを緊急実施。その後3週間のうちに、世界のほぼ全ての中央銀行が追随して利下げや緊急緩和政策を行いました。

 ただ、トランプ政権は当時、移動制限などの緊急対策には経済にマイナスだという理由で後ろ向きでした。対策の遅れに対する市場の不満と不安が高まるなか、3月9日のNY株式市場は2000ドルを超える歴史的暴落を引き起こし、ドル/円は101.17円までドル安(円高)が進んだのです。

 コロナ感染を軽視して初期対策が遅れ、感染の急拡大を許す。慌ててロックダウン(都市封鎖)を行って、経済を一気に止める。今度は経済悪化に焦って、コロナ再拡大のなかで Go To キャンペーンを促進。経済はさらに悪化しています。今起きている経済危機は、世界経済の不均衡によって起きたものではなく、政治家の意図的な政策が引き起こしたものだといえます。

25日のドル/円のNY市場終値は103.56円

 前営業日の終値比▲0.06円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。