アリババ、テンセントなどへの「独禁法」違反での締め付けは序章

(5)アリババ、テンセントなどへの「独禁法」違反での締め付けは序章

 会議は「反独占と資本の無秩序な拡張防止を強化する」と主張しました。国として、インターネット、IT大手を含めたプラットフォーム企業を支持していくとしつつも、関連企業の発展は規範的で秩序だったものであるべきで、データの収集、使用、管理を含め、消費者の権益を保護するものでなければならないという立場をあらわにしました。

 今後、規制や監督を強化し、独占的、不正当な競争行為に断固反対すること、金融イノベーションは慎重な管理監督の前提下で進行すべきであることをうたいました。今月に入り、SAMR(国家市場監督管理総局)が、アリババやテンセントが関与した複数の案件に対して、独禁法違反という名目で、50万元の罰金を科し、調査を開始すると発表しました。

 会議は、この動きが一過性のものではなく、政府の政策として持続的に実施されることを如実に示したのです。近年、中国政府は、不動産市場と中国企業による外国企業買収行為に対し、「バブル」という観点から警戒し、状況に応じて締め付け策を取ってきましたが、私の見方では、今後、IT、ネット金融といった分野がこの分類に入ってくる見込みです。

 もちろん、この新政策を受けて、中国の関連産業、企業が低迷する、株価が下がるという状況にはならないでしょう。ただ、マーケットのルールと秩序を整理するために、これから一定期間(短くて数カ月、長くて数年)、「整頓のための過渡期」に入るということです。

 私は株の専門家ではなく、特に具体的な銘柄や案件への直接的な言及は避けますが、仮に私が関連企業に投資しているとした場合、政府の締め付け策を受けて、株価が「急落」した際に多めに買い、それをしばらく持ち続ける選択をするでしょう。