1月に相場の流れが変わるのは、「やるべきことは年内に」と考える人間心理が原因

 1月に相場の流れが変わるのは、偶然ではありません。それが起こりやすい理由がはっきりあります。それは、「やるべきことは年内にやっておこう」と考える人間心理が原因だと思います。その結果、以下のパターンを繰り返しています。

◆みんなが強気で10~12月に株が強いと、年明けに下落
 多くの人は、今年やるべきことは今年中に済ませようとします。新しい年に向けて、準備すべきことは年内に準備しておこうとします。たとえば、来年、日本株が大きく上昇するというのが、コンセンサスになっていたとします。すると、多くの人は、年内に株を買ってしまおうと考えます。「株を枕に越年で、よい初夢を」と考えるわけです。

 ところが、ほとんどの人が年内に株を買ってしまうと、皮肉なことに年明けから株の買い手がいなくなります。そこで1月には、わずかな利益確定売りから相場が崩れやすくなります。

◆みんなが弱気一色なら10~12月が弱く、年明けに上昇
 弱気がまん延していると、多くの人は年内に株を売ってしまおうと考えます。株なんか持っていたら、安心して越年できないというわけです。この場合は、年明けにはもう売り手がいなくなるので、上昇を始めます。

◆強気と弱気が混在していて、10~12月は方向感のない相場となると、1月に相場の転換は起こりません。リターン・リバーサルが起こるのは、あくまでも、10~12月になんらかのコンセンサスがあって、相場が一方向に動いたときだけです。