毎年6月には株主総会周りを行う

──町を歩いていて繁盛店を見つけたら、どんな会社なのかを調べてみる。それで順調に売上げが伸びていたりしたら、すぐに株を購入するのですか。

 いえ、今後も成長するかどうかを自分なりに検証します。一時的なブームで終わってしまうこともよくありますから。

株主優待目当ての銘柄もいくつか保有。「やはり商品などが届くのは楽しいです。でも、やりすぎると使うのが大変で…。昨年の11月・12月は食品や食事券などが届きすぎて、外食や贅沢が続き、体重が増えちゃったので、今年はだいぶ減らしました(笑)」

──具体的には何を検証するのですか?

 まずはビジネスモデルを検証します。今後も成長できる仕組みがきちんとできているかどうか。それと、とくに中小中堅企業の場合、トップがどんな人物なのかも重要なので、経営者についてもチェックします。

──それで購入をやめることも多い?

 はい。いくらいい会社でも株価が割高だったら手を出しにくいので、買いたいけど買えないというケースも当然あります。そのような時は楽天証券のお気に入り銘柄に登録して、定期的に業績や株価の推移を確認します。

──最初はどれくらい買うのですか?

 これもケースバイケースですが、1単元100株から買うことが多いですね。まずは少額買って四半期決算の推移を見たり、株主総会に参加して経営者を自分の目で確認したりして、成長ストーリーに対する確信が高まったら買い増ししていきます。

──その判断も難しいですよね。

 そう、だからこそ、買った後の経過観測が大事になります。四半期毎に決算が出てくるので、成長ストーリーから外れていないか、定期的に確認します。あまり短期思考になってしまうのは良くないですが(笑)。株主総会にも継続して参加するようにしています。

──株主総会に参加するようになったきっかけは何だったのですか

 まだ会社に勤めていた頃、当時、株を持っていたスクウェア(現スクウェア・エニックス・ホールディングス)の株主総会に行ってみたんです。休日開催で、たまたま東京出張のスケジュールと重なったので、一度どんなものかのぞいてみようと。

 ゲーム好きの僕にとっては、発売前の新作ゲームを体験できる、という期待も大きかったわけですが(笑)。そしたら、とてもなごやかな雰囲気で、すごく楽しかったんです。しかも、質疑応答で直接経営者に質問することもできる。それで、退職後はいろんな会社の総会に行くようになりました。

──得るものは大きいのですね。

 その会社のトップや役員の話を直接聞けますし、個人投資家がトップに質問できる機会は限られますからね。最近はIR関係のサイトなどで社長インタビューを見たりできますが、生で見るとぜんぜん印象が違ったりします。表情や仕草からわかることもありますし。

──質疑応答は重要ですか?

 私はそれが一番重要だと思います。株主の質問にどう答えるかからもいろんなことが見えてきます。はぐらかすように話したり、核心に触れようとしなかったら、ちょっと怪しいな、あまり自信がないんだなと感じます。

──今もよく行かれるのですか。

 地元・名古屋の会社の株主総会はもとより、東京にもよく行きます。株主総会って6月が多いじゃないですか。だから、毎年6月に10日間くらい東京にホテルを取り、総会回りをするんです。10日間で20社から30社くらい回ります。

──お知り合いの投資家の方々で、行く方も多いのですか?

 以前と比べると株主総会に参加する投資仲間が増えてきた感じはしますね。得られるものは大きいので、個別株投資を行っている人なら一度は出席してみた方が良いと思います。