株価低迷IPO株を狙って資産2億円達成! 

 確かに約3,800銘柄近くある上場企業すべての中から探すより、年間100銘柄にも満たないIPO株の中から有望株を探すほうが、効率が断然、いいのは確か。弐億貯男さんは2012年に上場したものの、当初は利益が上がらず株価低迷が続いた介護施設関連株のチャーム・ケア・コーポレーション(6062)を長期保有し、見事テンバガー(株価10倍)を実現した。

「2012年6月の上場から数年は施設の新設による費用が先行して、売上高は伸びるものの、利益が上がらない状況が続いていました。しかし、社長が介護施設関連はストックビジネス。一定の稼働率を維持できれば、施設が増えた分だけ売り上げ・利益が比例して伸びると、インタビューで語っていたことを信じて継続保有。読み通り、施設の新設費用を、既存のホームからの売り上げ・利益で吸収できるようになり、業績が増収増益傾向に転換しました。株価上昇の過程で順次、利益確定を進めて、6,100万円という投資歴の中でも最大の利益を獲得できました」(弐億貯男さん)

 簡単なように見えるが、IPOの2012年から株価が急上昇を始めた2016年以降まで、その将来性を信じて長期保有を続けた弐億貯男さんの忍耐強さや信念があったからこその成功と言える。まさに割安成長株で成功するお手本といっていい。

 IPO投資の世界は、マザーズなどに新規上場する時価総額の低い小型株の人気が高い。少しの買いで株価2倍、3倍も当たり前の派手な値動きが特徴だ。その一方、東証1部に直接、新規上場するような大型案件は、IPOの際に公募売り出しされる株数も多く、上場直後の株価急騰が見込めないので人気が薄い。弐億貯男さんがその傾向を逆手にとって成功したのが、丸紅系のマンション向け光通信接続サービスで業界トップのアルテリア・ネットワークス(4423)だ。

「大型株ということで初値が公開価格を割り込んだため購入し、独占禁止法に抵触するかもしれない行為があったということで社長が辞任し、ストップ安になった局面で買い増ししました。その後、5G(第5世代移動通信システム)関連ということで評価が見直され、買い値の2倍で利益確定できました」と振り返る。まさに「割安になるまで待つ」という姿勢を貫いたゆえの勝利だった。