「新規設備投資や出店加速」と利益成長のタイムラグを狙う! 

 IPOセカンダリー投資以外でも、紙おむつ向け不織布のハビックス(3895)の場合は工場の新設・拡張予定の情報を目にして、製造能力拡張後の売上高の伸びに期待して先回り投資。見事、990万円の利益獲得に成功した。

 福証銘柄のホテルチェーン・アメイズ(6076)は、社長が打ち出した年率15%成長で30年後に売上5,000億円という長期目標と、ロードサイドの低コスト小型ホテルという独特なビジネスモデルに共感して購入。出店ペースが鈍化して出店コストが減り、一時的に利益が伸びて株価が上昇したタイミングで手堅く810万円の利益を確定した弐億貯男さん。

「設備投資」や「出店ペースの加速」は当初、利益の圧迫要因になって株価下落につながるものの、その後、新規投資が実を結べば利益躍進、株価上昇の原動力になる。そのタイムラグを利用して、用意周到に先回り投資するなど、将来の業績変化に対する読みの鋭さが弐億貯男さんの武器。

 一方、「株の売り時に関しては一律の基準は決めていません。銘柄ごとにこの銘柄なら2倍になれば満足、5倍まで狙えるかも、30%上がれば十分…などと想像して保有しています」と語るように、買い時も売り時も、機を見て敏なる独特の着眼点が勝利の秘けつのよう。

 数少ない投資失敗例も「創業者の予期せぬ不祥事」や「保有直後の大幅減配発表」など「事故」に近いものばかり。しかも、スパッと見切り売りをして損失を最小限に抑えている点はさすがと言える。

 そんな弐億貯男さんは投資未経験者に向けて、「株式投資に興味がある人は、いろいろ勉強してから始めるというのではなく、まずは証券口座を開設して、株式を買ってみることが何より重要。実践する中でいろいろ失敗も経験して学んでいったほうが早く上達できると思います」とアドバイスする。

 さらに自身の経験も踏まえて、「今の相場が過熱していて違和感があるという方は、妥協して買って後悔するかもしれませんので、株式市場が調整するまで辛抱強く待つという選択肢もありだと思います。相場に乗り遅れまいと追いかけるなら、念のために買付余力は多く残しておいたほうがいいと思います」と語る。

 コロナ・ショック後の株価回復局面では、マザーズやジャスダック市場に過熱感があるため、弐億貯男さんは「もう一度、調整する局面を待っている状態」と言う。さすが「妥協して買ったら後悔します」と繰り返し語るように、株価が割安になるまでじっと我慢して待つ、という忍耐力も、株で成功するための重要な秘けつのようだ。

≫≫続けて「いま割安な有望株5選!年率30%の運用益を誇る弐億貯男さんが注目」を読む

≫≫「10倍期待株2021:非コロナ関連銘柄10選・弐億貯男さん」を読む

弐億貯男(におく・ためお)さんプロフィール

9月発売の著書は早くも話題!

会社員をしながらの株式投資によって、100万円を17年間で2億円に増やした現役会社員の投資家。割安成長株の中長期投資の手法で、運用益は年率30%キープ。現在は、Twitter(6万フォロワー)や投資ブログ「サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみました。」で、個人投資家への助言や注意喚起も発信し大人気に。

さらに、9月に刊行予定の書籍『10万円から始める! 割安成長株で2億円』(ダイヤモンド社刊)が、すでにネット書店人気ランキングで上位に上がるなど、注目を集めている。