萩原電気HD(7467)

市場:東証1部、株価:2,472円、時価総額:222.92億円

 半導体などの電子部品商社で配当利回りは3.03%となっています。

 自動車業界向けの売上比率が高く、中でも、デンソーを中心としたトヨタ系が主要ユーザーとなっています。デンソーはインバーターの拡大が期待されるなど、電動化によるプラス寄与が大きい自動車部品メーカーです。関連性の高い同社も電動化の恩恵が期待できるでしょう。

 さらに、デンソーでは、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトなどと自動運転・車両運動制御等のための統合制御ソフトウエアを開発する合弁会社も設立しており、自動運転の分野でもメリットが期待されます。

 ちなみに、デンソーは同社の最大仕入れ先となるルネサスエレクトロニクスの第2位株主ともなっています。デンソー、そしてトヨタグループとの関係強化が今後も強まっていく方向性が予想されます。

助川電気工業(7711)

市場:JASDAQ、株価:600円、時価総額:35.22億円

 研究開発型の精密機器メーカーで、配当利回りは4.00%となっています。

 ニュートリノ振動の検証に使用する「電磁ホーン」を文部省高エネルギー物理学研究所へ納入した実績があるほか、超電導材料の開発や原子力関連機器でも豊富な実績があるなど、研究開発型で技術開発力の高い企業と位置付けられます。

 また、レアメタルに依存しない電池としてナトリウム電池などの開発が進められていますが、同社では電磁流量計や電磁ポンプなどナトリウム関連製品なども手掛けていますので、同分野の展開力に関心が高まる場面も到来する可能性があります。

 2020年9月期は赤字に転落しましたが、半導体製造装置関連製品などのウエートも高いため、2021年9月期黒字化回復の確度は高いものとみられます。

 核融合超伝導トカマク型実験装置の統合試験運転が開始されることで、関連案件の需要も見込まれているもようです。

リョーサン(8140)

市場:東証1部、株価:1,929円、時価総額:482.25億円

 半導体商社大手の一角で、配当利回りは3.11%となっています。

 同社は独立系の専門商社ですが、今後半導体商社の再編が進展するものとみられ、スケールメリットの拡大や競争環境の緩和などが期待できます。

 同社はルネサス製の製品が中心ですが、上場企業では他にも、新光商事、立花エレテック、グローセル、菱電商事、萩原電気などルネサス製品主体の企業が多く残っています。佐鳥電機や三信電気などルネサスの商権解消の動きも出てきていますが、今後さらに代理店数を縮小させるならば、商社間での統合の動きなどにつながるものとみられます。

 株価は安値圏で推移し、2013年以来の低水準に沈んでいます。主体となる車載向けビジネスは、自動車生産の回復で今後回復が期待できるため、あまりにも株価は売られ過ぎの水準と考えられます。

東北銀行(8349)

市場:東証1部、株価:1,069円、時価総額:101.66億円

 岩手県地盤の地方銀行で配当利回りは4.68%となっています。

 かねてより携帯料金の引き下げ政策を主張してきた菅政権が誕生し、NTTによるドコモの完全子会社化、ドコモの格安新料金プラン発表などにつながりました。これにより、菅首相が以前から必要性を訴えていた「地銀の再編」も今後進展していく可能性が高まる状況になってきたといえるでしょう。

 とりわけ、地銀の再編においては、地方銀行同士の統合・合併を独占禁止法の適用除外とする特例法が成立したこともあって、地域内での統合が進んでいくとみられます。経済規模に対して地銀の数が多い地域での再編が予想され、岩手銀行、北日本銀行など乱立する岩手県地盤の地銀の一角として同行が注目されます。

 ちなみに、同行は仙台本社のフィデアHDとも包括業務提携の関係にあります。時価総額が低水準で再編プレミアム期待は高まりやすいでしょう。

東洋テック(9686)

市場:東証2部、株価:1,000円、時価総額:114.40億円

 警備業界の一角で配当利回りは3.00%となっています。

 警備各社に関しては、2021年の東京五輪開催に伴い特需の発生が予想されます。同社は関西地域が地盤とはいえ、市場全体のパイが一時的に拡大するため、少なくとも競争条件の緩和は想定されることになります。

 また、新型コロナウイルス感染拡大の収束度合いがカギになりますが、五輪開催に伴う訪日観光客拡大は関西地区にも波及効果が期待され、インバウンド対応需要も増加すると見込まれます。

 そのほか、2025年の大阪万博開催が正式に決定されており、関西地盤の同社には関連の警備需要がストレートに拡大するものと考えられるでしょう。さらに、警備業界の構造的な需要の拡大要因として、カジノの開設なども挙げられます。菅政権下で統合型リゾート(IR)がどのように進展していくのかも注目されます。