初心者へアドバイス。投資資金が少ない人は、まずは節約を

──では、最後にこれから投資を始める人、あるいは投資を始めて間もない人にアドバイスをお願いします。

 まだ20代か、30代前半くらいで、投資資金も限られているという人には、まずは節約してお金を貯めましょうと言いたいですね。

 というのも、僕は若い頃から年間20%の利益を目標にしてきましたが、一般に株式投資のパフォーマンスは平均すると年間7%程度と言われます。100万円の資金があったとしても年間7万円稼げれば上々ということです。

 そこで考えてほしいのが「節約」です。1年間に生活費や遊興費で100万円使っているとしたら、そのうち7万円節約すれば、投資するのと同じ成果を上げられるわけです。

──なるほど。それくらいなら無理なくできそうですね。月に1度か2度、飲みに行くのを我慢すればいいだけですし。

 そうなんです。その節約した資金を元に株式投資を始めるのもいいと思います。節約で貯めたお金や給与の一部を少しずつ株式投資の口座に入れて、無理のない範囲内から始めていくのが良いと思います。

 ただ株式投資は、今回のコロナ・ショックみたいに暴落に見舞われることもあります。短期間ではどうしても株価の変動に一喜一憂してしまうと思いますが、長期間続けることにより、その株価の変動を打ち消しあうことで、複利効果を満喫しながら適正なリターンを得ることができるんです。

 継続は力なり。10年より20年、20年より30年続けたほうがより有利になるはずなんです。

 だから、若いうちに始めるべきです。ただし、その場合も節約を心掛けるべきだと思っています。

──かぶ1000さんは高校生にして1,000万円の資産を持っていたのですから、節約なんて無縁なのかと思いました。

 高校生で大もうけした時は多少無駄遣いもしましたが、最初の資金を貯める時は、1円単位で節約してましたね。無駄遣いは一切しなかったです。

 資金が少ない時ほど節約は大切です。今の100円が10年後に6倍になる(20%の複利計算)と考えたら、今使うより絶対に投資しようと思っていました。

──とくに投資資金が少ないうちは節約が大事だということですね。

 それは間違いありません。

──銘柄選びについてもアドバイスをいただけますか。

 最初は自分がよく知っている会社、馴染みのある業種のほうがいいと思います。全く縁のない分野だと、その会社のリポートなどを読んでも何が何だかさっぱりわからないでしょう。

 同じ意味で、BtoBよりBtoCの会社をすすめます。外食や小売りなら、店に足を運べば繁盛しているかどうか自分の目で確かめられますからね。

──なるほど。あとはやはり、バリュー銘柄ですか。

 全く投資の知識がない人に割安で、将来上昇が見込める銘柄を狙えといっても難しいと思います。

 そういう意味では、「超優良株をフェアバリューで買う」、というのがベストな選択かもしれません。超優良株は普段は割高ですが、市場が暴落した時には下落するのでその時は千載一遇のチャンスですね!

──かぶ1000さんは、株価が下落している今はチャンスととらえていると伺いました。初心者も今、買うべきでしょうか。

 これだけボラティリティが高いと、買うタイミングをなかなか見極めきれないので買いにくいかもしれません。ただ、全体が大きく下がるときは滅多にないので、勇気をもって無理せず少しずつでも買っていくのがいいと思います。

 また保守的にいくなら、ボラティリティが大きい時は避けて、相場が落ち着いてから買っても遅くないので、値動きが少し落ち着くまで待つというのもありだと思います。

──初心者は様子を見ながら少しずつ投資した方がよさそうですね。今日はどうもありがとうごさいました。

※このインタビューは2020年3月19日に実施し、2020年4月24日に初回掲載したものです。

四季報を読むのが大好き、毎日時間をかけて読み込んでいるというかぶ1000さん。なんでも、トイレの中でも読んでいるのだとか…!?

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