先週の日経平均は概ね5日移動平均線の水準である19,300円台を挟んだもみ合いが続き、方向感に欠ける展開となり、週末金曜日(2月24日)の終値は19,283円でした。前週末の終値(19,234円)と比べて49円ほど上昇はしていますが、ほぼ横ばいだったと言えます。

(図1)日経平均(日足)の動き(2017年2月24日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

いつもの通り、足元の状況を上の図1で確認してみます。

日経平均は引き続き25日移動平均線より上をキープしていますので、相場の基調に変化は出ていません。また、1週間分(2月20日〜24日)のローソク足の並びを見ても、下値を切り上げていて底堅さを感じさせる一方、ここ直近の上値をトライする場面では、陰線や下ヒゲの長い線、十字線などが多く、買いの強さもイマイチといった状況です。

チャートのパターン(形)で2017年に入ってからの日経平均の動きを捉えると、「トリプルトップ」から「三角保ち合い」を形成しつつありますが、とりわけ直近の2週間は保ち合い上限の線に沿ってもみ合っていて、保ち合いの上放れのきっかけを掴めないでいることが判ります。

上値の重たさの背景にあるのは、国内企業決算が一巡したことによる手掛かり難や、為替市場で円安一服していること、今週28日に米国で控えているトランプ大統領の議会演説待ちの様子見などが挙げられます。特に、トランプ大統領の演説後に大きく相場が動きそうなため、「嵐の前の静けさ」の状況です。

そのため、米国NYダウの動きもチェックして見ます

(図2)NYダウ(日足)チャート(2017年2月24日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成)

足元のNYダウは11営業日連続で最高値を更新するなど、強い動きを見せています。それだけに高値警戒感が燻っている可能性があり、28日の大統領議会演説が利益確定売りのきっかけになってしまう展開には注意が必要かもしれません。

その議会演説では、トランプ大統領が具体的な経済政策についての具体的な言及があると見込まれるほか、「そう遠くないうちに、税制に関する驚くべき発表をする」と期待のハードルを上げる発言もしています。

今のところ、こうした期待が高値を更新する原動力になっていますが、「では、どこまで期待するのか」の度合いについては投資家によってバラツキがあると思われ、政策の内容次第では評価が分かれる可能性が出て来ます。

そのため、余程のサプライズがない限りは材料出尽くしが意識されて上値追いの勢いが弱まることが予想されます。反対に、具体的な政策の言及がなかった場合も失望売りとなる恐れがあり、現時点で描ける想定シナリオの数は株価下振れの方が多いと言えます。

また、足元の日経平均は米株市場上昇の流れに乗り切れていないにもかかわらず、「下落する時は一緒」という展開もあり得ます。その場合は三角保ち合い下限の線や、75日移動平均線あたりが目先の下値メドとして意識されそうです。