ダウは3万3,000ドル、S&P500は4,000ポイントが視野に?

 ここで、長期金利や益利回りスプレッドの水準から、新年(2021年)のS&P500指数の上値余地を試算してみたいと思います。重要となる要因は長期金利の予想水準です。本稿では景気回復基調を映して長期金利が現水準よりも高い1.25%程度と想定してみます。

 S&P500指数ベースの2021年予想EPSは170前後です。予想益利回りスプレッドが現在の▲3.65%から▲3.0%程度まで浮上すると想定すれば、株式益利回り(4.25%)から逆算した予想PERは約23.53倍と計算できます。

「予想EPS(170)×予想PER(23.53倍)」で「2021年にS&P500指数は4,000ポイントまで上昇できる」との上値余地が試算できます。

 S&P500指数には現水準(3,629ポイント)から1割程度は上昇する余地があるということです。ダウ平均に換算すると3万3,000程度が視野に入ってくるイメージです。

 参考までに、投資銀行世界最大手であるゴールドマン・サックス社が11月11日に公表した「S&P500指数の2021年末目標値」は4,300ポイント、JPモルガン社が11月9日に公表した2021年末目標値は4,500ポイントと報道されています(Market Watch)。

 両社の目標値と比較して、本稿で試算したS&P500指数の上値余地(4,000)はやや慎重にみえます。

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