どんな銘柄がタックスロス・セリングのターゲットになるか?

 タックスロス・セリングは上項で説明したように「この際、実現損を出してしまう」ことが目的なので、大きくヤラレになっている銘柄ほど節税効果があります。

 だから、過去1年にIPO(株式の新規公開)された株で、上場後まったくいいとこなしでズルズル株価が下がった……というようなケースが、一番タックスロス・セリングの標的になりやすい銘柄です。

 これと対照的に、永年にわたって存在してきた老舗企業や大型株は、その年のパフォーマンスが悪くてもタックスロス・セリングによる売り圧力は大きくありません。また、株価が横ばいを続けてきたような銘柄もタックスロス・セリングを大きく浴びる心配はありません。

タックスロス・セリングが出やすい時期は?

 次にタックスロス・セリングが出やすい時期ですが、米国の投資家はサンクスギビング・デー(感謝祭)が終わった頃から、そろそろ税金対策を考え出します。

 つまり、タックスロス・セリングが増えやすいということです。

 税金の締め切りの関係で12月31日までに売却を終えればOKなのですが、年末はクリスマスがあり落ち着いて資産運用に取り組めないので、クリスマスの前までにタックスロス・セリングの損切りを実行する投資家が多いです。

 それはすなわち、売りプレッシャーは12月半ば辺りがピークとなることを意味します。

 なお、上項で説明したように売りプレッシャーが出るのは今年IPOされたような若い会社、つまり小型株で、なおかつ1年を通じて一本調子で株価を下げてきたようなケースに限ります。

 みなさんのポートフォリオの中にそういう株はありませんか?

 もしあるのなら、来週(11月30日)あたりから売りプレッシャーが高まると思いますので、それに先回りして、今のうちに処分することをお勧めします。