タックスロス・セリング・シーズンとは?

 タックスロス・セリング・シーズンが近づいています。そこで今日はタックスロス・セリングを説明します。

 米国の確定申告は4月15日前後に提出期限が来ますが、それは12月31日で終わる前年の収入に関して納税することになります。

 米国では、ある株式を1年以上保有した後で得た売却益を「ロングターム・キャピタルゲイン」、1年未満を「ショートターム・キャピタルゲイン」と分類します。

 ロングターム・キャピタルゲインに対する税率は、それぞれの個人の総所得に応じ、下の表のように変わってきます。

ロングターム・キャピタルゲイン
税率
総所得
0% $0~40,000
15% $40,001~441,450
20% $441,451以上

 一方、ショートターム・キャピタルゲインの場合は所得階層に応じ10%から37%まで7段階の税率が当てはめられます。

 今年2020年は2月から3月にかけて新型コロナウイルスに対する不安から、米国の株式市場が▲約30%下落しました。その後、市場は力強い反発を見てそのヤラレを全部取り戻しました。そのチャンスをうまく捉え、大きなキャピタルゲインを得た個人投資家も少なくありません。

 そのような実現益は上記の税率で課税されるので、なるべくキャピタルゲイン額を小さくしたほうが得です。

 そこで、現在保有中の株式で大きく含み損になっているポジションをこの際処分し、実現損を出すことで、すでにあるキャピタルゲインと相殺し、税金の支払額を少しでも小さくするのが、「タックスロス・セリング」という技法です。