★今回の記事『資産運用で人格を磨く(5)売りポジションを持ったときの心の平安の難しさ』のオンライン解説を、12月5日(土)17:00~17:30に行います(参加費無料)。
お申込みはこちらから!(マネーブレインWebサイト)

株価指数が上昇。売りポジションを持っている人に起こる思い

 タイミングを計って運用をしている人においては、インバース型ETF(上場投資信託)や、信用取引のカラ売り、先物での売りなどで、売りポジションを取っている人もいるでしょう。日経平均やTOPIX(東証株価指数)を対象に売りポジションを持っている人にとって、足もとの株価指数が上昇している状況は、首を絞められているようなきつい状態になっているのではないでしょうか? 

 なぜきついのか? 単に資産が減っているというだけではなく、売りポジションを持っている人だけに起こってくる思い、感情について、見ていきたいと思います。

 買いポジションにはなく、売りポジションを持っている人だけに起こってくる思い、感情は次のようなものです。

(1)    孤独感

「マーケットが上昇して周りの人がもうかっているのに、自分の資産は減っている。」
「自分だけが取り残されている。」
「みんなと同じように普通に買いポジションの投資をしていれば…。」

(2)    精神的に混乱してくる

「世の中にとって良いことが起こると青ざめ、悪いことが起こるとホッとする。」
「世の中にとって良いことと、自分の資産にとって良いことが逆なので、精神的にきつい。」

(2)がさらに進むと、極端ですが、次のような思いが出てきたりします。

(3)    世の中にとって悪いことを望むようになる

「コロナウイルスが広がって、景気が悪くならないと自分の資産が増えない。」
「米国大統領選挙が訴訟などでより混乱すればマーケットは調整して、資産は戻ってくるはずだ。」
「米中関係がもっと悪化すれば、株は下がる。」

(3)まで進むと、人が不幸になろうが自分の資産を優先している自我の状態、「人として」に関わってくる状態です。私自身、「自我が強すぎると何事もうまくいかない」という考えを持っているので、常に(3)のような思いばかりが頭に浮かんでくるようであれば売りポジションは持たないほうがよいと思いますが、少なからず、人間であれば自我はあり、出てくる思い、感情はどうしようもありません。