広がるセクターローテーションの動き、注目はバリュー株

 このような中、株式市場ではセクターローテーションの動きが広がっています。これまで相場をけん引してきた大型テックのパフォーマンスが落ち、新型コロナウイルス感染が終息した場合に恩恵を受ける銘柄や、景気敏感株、一部のバリュー株などが買い進まれています。

 アマゾン・ドット・コム(AMZN)フェイスブック(FB)などの大型テックに関しては、仮にワクチンが最終的に失敗した場合でも利益を維持できる貴重な企業群であり、経済回復時にも恩恵を受け、かつ、長期的な成長ストーリーは健在であるため、引き続き保有しておきたい銘柄です。

 特にこの2社は、アマゾンでは、オンライン薬局の新サービス「アマゾン薬局」を米国で始め、フェイスブックではオンラインショッピングやデーティングサービスを強化するなど、さらなる拡大に向け積極的に施策を展開しています。ただ、短期的には年末を控えた利益確定売りや金利先高観を嫌気した売りが発生するとみています。

 また、最近のトレンドで最も注目しているのは、バリュー株のトレンドです。経済回復期に入る可能性が高く、金利の将来的な上昇が意識されるため、引き続き見直される機会が増えると考えられます。銀行株のJPモルガン・チェース(JPM)ゴールドマン・サックス(GS)は、このストーリーに乗り、かつ一定の配当利回りが見込める代表的な銘柄でしょう。医薬品のアッヴィ(ABBV)のPER(株価収益率)水準と配当利回りにも注目です。