3メガ銀行の収益力は正しく理解されていない

 金融セクターには、株価指標で見て、割安な銘柄が多数あります。具体的に言うと、配当利回りが高く、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が低い銘柄が多数あります。低金利長期化で、銀行の預貸金利ざや(預金金利と貸付金利の差)が縮小していく不安が織り込まれていると考えられます。ただし、3メガ銀行は、実際には安定的に高収益を上げていく力があると判断しています。その収益力が、株式市場で正しく理解・評価されていないことが、割安な株価につながっていると考えています。3メガ銀行株は、配当利回りで5.3~6.0%に達しており、高配当利回り株として投資価値が高いと判断しています。

 同様に、グローバルにビジネスを展開している大手金融株には、収益力対比、株価が割安な銘柄が多いと考えています。東京海上HD(8766)オリックス(8591)も、収益力対比、株価は割安と評価しています。

グローバル展開している大手金融株の株価バリュエーション:11月16日時点

コード 銘柄名 株価:円 配当利回り PER:倍 PBR:倍
8306 三菱UFJ FG 461.1 5.4% 9.9 0.35
8316 三井住友 FG 3,158.0 6.0% 10.8 0.38
8411 みずほFG 1,409.5 5.3% 10.2 0.40
8766 東京海上HD 5,276.0 3.8% 21.0 1.09
8591 オリックス 1,524.5 5.0% 10.0 0.63
出所:配当利回りは2021年3月期1株当たり年間配当金(会社予想)を11月16日株価で割って算出。1株当たり配当金は、三菱UFJ25円、三井住友FG190円、みずほFG75円、東京海上HD200円、オリックス76円。PERは、11月16日株価を21年3月期1株当たり利益(会社予想または会社目標)で割って算出
 

▼著者おすすめのバックナンバー
2020年11月11日:今、買うべきと考える「景気敏感株」7選。景気回復を織り込み急騰
2020年11月10日:トヨタ・ホンダの収益力を評価:自動車株へ投資再開のタイミング到来と判断
2020年10月15日:「もしバフェ5選」フォローアップ。安田倉庫はコロナ禍で下がっている今が買い場と判断