最も重要なのは「大統領選の勝者が実際に何をするか」

 大統領選の勝者が、「当選直後にどういうメッセージを出すか」も重要ですが、それ以上に重要なのは、大統領として「実際に何をするか」です。

 トランプ大統領は、2016年の選挙戦の間、「低所得者の味方」「米国第一主義」「対外強硬策」を打ち出していました。

 2017年1月に大統領になってから、「米国第一主義」「対外強硬策」は、言葉通りに実行しました。ところが、「低所得者の味方」とは、まるで正反対の政策を実行しました。

 オバマケアを廃止するなど、低所得者向けの給付はさまざまな形で廃止しました。一方、大型減税など、大企業や高所得者に有利な政策を次々と実施。その意味で、典型的な共和党政策の継承者だったと言えます。

 共和党と比較すると、民主党は、やや社会主義寄りの資本主義と見られています。大企業の成長よりも、低所得者の社会福祉を重視するイメージを持たれています。

 ただ、現実には、資本主義を重視する米国の政党であることには違いありません。民主党のオバマ前大統領の政策を見てもわかりますが、根本には資本主義や自由経済を重視する考えがあります。

 共和党と比較すると、やや社会主義寄り、つまり、低所得者の福祉や格差縮小を目指しますが、それでも伝統的な民主党の政策を遂行する限り、バイデン氏が当選しても、株式市場にそんなにネガティブとはならないかもしれません。

 世界の政治・経済に甚大な影響を及ぼす米大統領選の結果を受けて、米国がどう変わるか、目が離せません。