米大統領選後も変化しないと予想される5つのこと

米中対立やブルーチームvsレッドチームの対立

 変化が予想されることに注目する一方で、大統領選を経ても、方向性があまり変化しないと予想されることについても、注視することは大事なことです。

 たとえば、米国の中国に対する風当たりがかなり強いこと。これは、GDP(国内総生産)が自国の7割になった国をつぶす、という以前からの米国の鉄則です。これまでも旧ソ連やバブル期の日本などに対しても、同じやり方をしてきました。加えてコロナ禍で米国内の中国へのイメージはかなり悪くなっており、中国に対する強硬姿勢は、大統領選の前後で大きく変わらないものと考えられます。

 また、ブルーチーム(民主主義国家を指す。欧米や日本など)とレッドチーム(国家主義的・全体主義国家を指す。中国やロシア、北朝鮮など)の対立も、米国大統領が変わったからといって、すぐには解消しない問題です。

地球温暖化

 地球温暖化や異常気象というのも、大きく変わらないでしょう。なぜなら、最大温室効果ガス排出国である中国や今後さらに発展していくインドなどの途上国は「一人当たりの二酸化炭素排出量は欧米がはるかに大きく、途上国は同程度まで温室効果ガスを排出して発展していく権利がある」と主張し、彼らが温室効果ガスの排出をやめない限り、地球温暖化問題は継続していきます。

各国の超金融緩和、コロナワクチン待ちの経済状況

 さらに、各国の超金融緩和も、コロナワクチン待ちの経済という状況も、大統領選を境に大きく変わることはないでしょう。

アフリカを中心とした新興国の債務危機発生リスク

 そして、忘れがちですが新興国の債務危機発生リスクも大きく変わるとは思えません。現在、コロナで途上国経済も大打撃を受けており、インドの銀行でも、不良債権が問題になりつつあります。

 また、アフリカや南米も債務危機のリスクが高く、特にアフリカの国々には、返済能力を考慮せず必要以上に中国が融資しています。その融資先の各国が弱ってしまえば、中国の雲行きも怪しくなり、アジアを中心に債権が多い日本のメガバンクも状況が悪化します。

米大統領選後も変化しないと予想されること
・米中対立やブルーチームvsレッドチームの対立
・地球温暖化
・各国の超金融緩和
・コロナワクチン待ちの経済状況
・アフリカを中心とした新興国の債務危機発生リスク

近年の米大統領選相場を振り返る

 ここで、過去の米大統領選の簡単な振り返りをしておきたいと思います。

2008年・オバマ氏vsマケイン氏:リーマン・ショックの最中で選挙どころではない状況
2012年・オバマ氏vsロムニー氏:波乱もなく、あまり印象がない選挙
2016年・トランプ氏vsクリントン氏:マスコミの報道があまりアテにならないというのが分かる選挙

 2016年のトランプ氏とクリントン氏の大統領選ですが、マスコミは当時、圧倒的にクリントン氏が勝利するという報道をしていました。それなのにトランプ氏が勝利したため、マスコミの報道があまりアテにならないというのがよく分かる選挙だったと考えています。

 そして、10月23日の米大統領選のテレビ討論会を見たとき、トランプ氏が圧勝という感じがしました。さらに、ここでバイデン氏は致命的な失言をしています。「石油に対する補助金をなくす」という内容です。

 実は、米国は世界最大の産油国であり、原油があるから中東への関与をやめることができ、米国の立場が強くなったという経緯があります。テキサス、ペンシルベニア、オハイオなど、原油で生計を立てている人が多い州で、バイデン氏が支持されなくなる可能性が高まったのです。

「バイデン氏の圧勝」と言われていた状況が、23日の討論会でひっくり返る可能性が高まってきたのではないかと思います。