次回:実際の取引や投資判断へどう生かす?

 これまで簡単にTOBについて見てきましたが、ドコモの例のように、「TOBされる側の株価は、上乗せ金額の分だけ上昇しやすい」という特徴があります。ただし、そうとも限らないケースも存在しています。「友好的TOBと敵対的TOB」や「全部買い付けと一部買い付け」、「TOB合戦による価格引き上げ」などの違いによって、TOBといってもさまざまなパターンや背景があって、思っているよりも複雑です。

 さらに、TOB対象の株を保有していた場合、「TOBに応じる(買い取りに申し込む)」、「市場で売却する」、「何もしない」などの選択肢から選ぶ必要が出てきますが、どこに気をつけて判断すればいいのでしょうか?

 次回はこれらを中心に、実際の取引や投資判断へ生かす考え方について見ていきたいと思います。