1 協和エクシオ(1951・東証1部)

▼どんな銘柄?

 電気通信工事大手の一角です。NTTグループ向けが売上高の4割超を占め、光ファイバーケーブル敷設工事やFTTH(家庭向け光ファイバー通信)工事、ビル内のサーバー工事、無線基地局工事などを手掛けています。

 その他、都市インフラやシステムソリューションなども手掛けています。シーキューブや西部電気工業、日本電通などが主要グループ会社です。株主資本配当率3.5%を還元目標としています。

▼業績見通し

 2021年3月期第1四半期売上高は1,061億円で前年同期比15.7%増収、営業利益は42億円で同4.5%増益となりました。都市インフラやシステムソリューションの売上高が大きく拡大した他、利益面では主要グループ会社の損益改善がけん引役になっています。

 2021年3月期通期営業利益は320億円で前期比2.9%増益の見通しです。増益幅は小幅となりますが、2022年3月期にはNTTドコモの5G工事が本格的に寄与してくると見込まれます。

▼ここがポイント

 政府では行政のデジタル化を今後5年で達成する目標を掲げるなどデジタル化への取り組みを進めている他、テレワークの増加やオンライン診療・教育の普及に際しても情報通信量は一段と拡大するため、通信インフラ網の一段の整備が必要になってきます。

 5G基地局工事の拡大も期待される中で、当面は高水準の需要が続いていく見通しです。

2 ダイダン(1980・東証1部)

▼どんな銘柄?

 空調工事が主力で、電気工事や給排水衛生工事なども手掛けています。関西地区が地盤ですが、首都圏での展開も進んできています。リニューアル工事の比率が50%程度を占め、官庁工事も15%程度を占めています。

 シンガポールやタイなどを中心とした海外展開も進めています。また、再生医療分野への取り組みを積極化しており、施設工事やベンチャーへの出資など、同事業で2030年度に150億円の売上を目指しています。

▼業績見通し

 2021年3月期第1四半期売上高は348億円で前年同期比3.9%増収、営業利益は22.8億円で同64.4%増益となっています。手持ち工事の順調な消化によって完成工事高が増加、工事採算も大きく改善しました。

 一方、2021年3月期通期営業利益見通しは80億円で前期比11.7%減益の見通しです。第1四半期は新型コロナの影響で受注高が前年同期比25.7%減と大幅に縮小しており、第2四半期以降の業績に影響が生じる見込みです。

 ただ、受注減少の大半は先送りによるものとみられ、今後に顕在化してくるものと考えられます。

▼ここがポイント

 新型コロナの感染再拡大に対する懸念が依然として拭えないなかでも、新しい生活様式に沿って経済活動は進められていく見通しです。とりわけ、院内感染の防御は最重要視されると考えられ、空調機などの新設や改修工事などが増加していくものとみられます。

 同社は病院向けの空調工事も得意としており、足元でも対策工事などの引き合いが増加してきているもようです。

3 GCA(2174・東証1部)

▼どんな銘柄?

 独立系のM&A(買収や合併)の助言会社です。日米欧の3極体制を敷いており、2019年末時点では欧米アジアに23拠点を有しています。そのため、国内M&A会社においてはクロスボーダー案件に強いといえるでしょう。

 M&A仲介会社と異なり、買い手または売り手のどちらか一方に助言業務を行っており、企業価値向上の戦略立案などM&A周辺業務も手掛けています。テクノロジー分野や事業継承案件に注力しています。

▼業績見通し

 2020年12月期第2四半期の累計売上高は62.3億円で前年同期比33.1%減収、営業損益は0.9億円の赤字となりました。新型コロナの世界的な感染拡大の影響で、主力すべてでM&A案件が大きく減速したようです。

 とりわけ、クロスボーダー案件は影響が大きくなったとみられます。ただ、2020年12月期業績見通しは引き続き非開示となっていますが、欧州を中心に4-6月期の新規受注は好調、上半期は前年同期比8%増となっており、今後の収益化へのつながりが期待できます。

▼ここがポイント

 菅新総理は中小企業の再編に関しても積極的に取り組むとみられています。

 これはブレーンの一人とされるデービット・アトキンソン氏の政策とされ、デフレの原因となっている中小企業の賃金引き下げを転換させ、賃金引き上げによって中小企業を淘汰(とうた)すべきとしているようです。

 再編を促すインセンティブなどの政策も打ち出されれば、結果的に中小企業の再編の動きが進み、同社などのM&A助言会社、仲介会社のビジネスチャンスが広がることになるでしょう。