4 住友化学(4005・東証1部)
▼どんな銘柄?
総合化学大手の一角です。相対的に石油化学事業のウエートが低い一方で、農薬事業は国内トップの実績、また、医薬品事業では子会社に大日本住友製薬を抱えています。
サウジアラビアでは同国の国営石油会社であるサウジ・アラムコと合弁で、石油精製・石油化学事業を行うペトロ・ラービグも展開しています。
他の化学大手と比較すると、短期的なコストアップにつながる原油市況上昇のマイナス影響は受けにくい収益構造になっています。
▼ここがポイント
菅新総理はもともと、ふるさと納税や農産物輸出の推進など地方の活性化政策に積極的です。農業における規制緩和の動きなどを進めて、地方の活力を取り戻させる政策が期待できます。
国内農薬市場では圧倒的なプレゼンスを誇る同社も、農業関連銘柄として市場の拡大が期待される余地があるでしょう。
▼業績見通し
2021年3月期第1四半期コア営業利益(営業利益から特殊要因として発生した損益を控除)は202億円で前年同期比54.5%の減益となりました。
自動車用合成樹脂の出荷減少、石油化学品の市況悪化、持分法適用会社であるラービグの定期修繕の影響などで、主力の石油化学事業の損益が悪化しました。
2021年3月期通期予想は800億円で前期比39.7%減益の予想、自動車関連やディスプレイ関連の出荷数量減少を見込んでいます。
5 四国銀行(8387・東証1部)
▼どんな銘柄?
高知県を地盤として四国各県に展開する地方銀行です。3月末現在の店舗数は110店となります。4月には、四国アライアンス4行による地域商社「Shikokuブランド」を設立しています。
2020年3月期末の自己資本比率は8.63%で、国内基準の4%を大きく上回っています。不良債権比率は2.19%で、保全率は十分な水準を確保しています。また、事業継承問題なども積極的に取り組んでいます。
▼ここがポイント
菅新総理は総裁選立候補の際から、地銀の数が多すぎることや地銀の再編の必要性について言及してきました。地域経済活性化のためにも、強固な地銀の存在が必要となってくるでしょう。
とりわけ、地銀の再編においては、地方銀行同士の統合・合併を独占禁止法の適用除外とする特例法が成立したこともあって、地域内での統合が進んでいくものとみられます。
経済規模に対して地銀の数が多い地域での再編の動きが予想され、四国地域を拠点とする地銀などはその候補となり得るでしょう。再編インセンティブのアナウンスなど今後期待したいところです。
▼業績見通し
2021年3月期第1四半期純利益は17.7億円で前年同期比7.4%減益となっています。資金利益は増加しましたが、債券関係損益などが減少したようです。
一方、上半期計画の14億円は超過しており、通期計画の30億円、前期比3.1%減益に対する進捗率も59%に達しています。株式売却益の前倒し確保などが好進捗の要因と説明されていますが、足元の業績面での安心感は強いと考えられます。