コロナ・ワクチン接種「しない」が増加

 トランプ大統領のカウンター材料として、大統領選前のワクチン承認が考えられますが、ワクチン接種をしないという人が春先より増えてきており、効果も限定的となりそうです。

 ワクチン接種について、米CNNテレビが5月に実施した世論調査によると、33%が「接種しない」との結果でした。特に35~49歳では45%と高く、トランプ大統領の支持者、共和党の支持者もそれぞれ47%が「接種しない」とのことです。

 別の米調査会社によると、4~5月にかけての調査では、「接種しない」が27%でしたが、9月には49%に増えているとのことです。

 このような調査結果は、米国民だけが特別ではないようです。欧州でも日本でも「接種しない」人の割合は高いようです。電通が8月時点で、20~60代の計1,000人にワクチンの効果や安全性を聞いたところ「余り信用できない」「全く信用できない」との回答が約3割だったそうです。

マーケットはバイデン氏優位を歓迎

 マーケットはバイデン氏優位を歓迎していますが、このままバイデン氏勝利で終わるのでしょうか。今回も隠れトランプ支持者が5%ぐらいいると言われており、第1回の討論会以降、ますます隠れてしまったという見方もあります。

 政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスによると、バイデン氏は各種世論調査の全米支持率の平均でトランプ大統領を9.7ポイントリードしているが、大統領選挙の勝敗を左右する激戦6州(※)では、バイデン氏のリードは4.6ポイントと全米の半分以下となっています。そして注目すべきは、2016年の大統領選挙での今とほぼ同じ時期の激戦6州(※)の支持率の差は、クリントン氏がトランプ氏を4.8ポイントリードしていました。バイデン氏よりも優勢だったにもかかわらず、勝利したのはトランプ氏でした。

 まだまだ勝敗は分かりません。

 11月3日が近づくにつれて投資家は慎重になり、それまでバイデン優位で積み上げてきたポジションの調整の動きが見られるかもしれません。そして、その間のドル/円は、選挙の勝敗を見るまでは大きな方向感もなく、1ドル=105円台を中心にさまよえる相場になるかもしれません。

※激戦6州…フロリダ、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ノースカロライナ、アリゾナ