対コロナ「ハンマー&ダンス」で経済回復を目指す
新型コロナウイルスの感染動向は予断を許さない状況です。とはいえ、全国の感染者増加数は低減傾向にあります。
東京都は23日、都内の新規感染者を59人と発表しました。1日当たりの新規感染者数が60人を下回ったのは6月30日以来で、7月以降で初めてです。
図表3は、国内の累計感染者数と「7日前比増加数」の推移を示したものです。7日前比増加数は安定しており、「経済復興」に注力できる環境となっています。
政府は「Go To トラベルキャンペーン」から除外されていた首都圏住民の旅行、東京発着ツアー、東京にある施設を10月1日から「割引」の対象とする方針を発表。「Go To イベントキャンペーン」についても、イベントの入場料や商店街の催しを補助する事業を検討中です。
政府は、10月には全世界からの入国者の受け入れを一部再開する方向で検討しているとも報道されています。
「ハンマー&ダンス」とは、ウイルス感染と闘う医療専門家の間で使われてきた言葉とされます。
感染動向が拡大と抑制の「波」を繰り返すなか、外出自粛・休業要請を発せざるをえない事態を「ハンマー」と呼び、制限を緩和して経済回復と感染防止のバランスをとる状況を「ダンス」と言います。
制限を優先する「ハンマー」と緩和を優先する「ダンス」を繰り返しつつ内外経済の回復余地を探る動きが「新常態」(ニューノーマル)とも言えるでしょう。
<図表3>国内の新型コロナウイルス感染動向