「世界の景気敏感株」が織り込む経済の持ち直し

 日経平均の底堅さは、「世界の景気敏感株」と呼ばれる日本株式が循環物色で選好されている結果と言えそうです。

 OECD(経済協力開発機構)は9月16日、「2020年の世界・実質経済成長率は▲4.5%になる見込み」との最新予想を発表しました。これは、6月に示した前回予想(▲6.0%)から1.5ポイント上方修正したことになります。

 中国に続いて米国経済が活動を再開したことを反映した予想の変更です。OECDは同時に「2021年の世界・実質経済成長率は+5.0%」と来年のプラス転換も予想しています。

 こうした見通しは、新型コロナの感染拡大で再びロックダウン(都市封鎖)が実施されず、2021年後半までワクチンが広く行き渡らないとの前提で試算されたものです。

 図表2は、世界のGDP3大国(米国、中国、日本)の四半期別・実質成長率について実績と見通し(市場予想平均)を示したものです。

 各国は、感染拡大防止と経済復興の両立に知恵を絞っており、地域とセクターで強弱はあっても、総じて本年後半(第3Q以降)に経済が上向きに転じる可能性を示しています。

<図表2>主要国の実質GDP成長率は上向きへ

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年9月23日)