大統領選挙直前の「オクトーバー・サプライズ」は吉か凶か
米国の大統領選挙(11月3日)はデッドヒート(伯仲の展開)となっています。図表2が示すとおり、「当選予想(平均)」でみると、8月に盛り返した「トランプ再選予想」は頭打ちとなり、「バイデン当選予想」との差がやや再拡大しています。
今年の選挙戦が異例である点は、
(1)米国経済が「大恐慌」以来の景気後退に陥った
(2)BLM(黒人差別反対)運動が広がるなかで「分断」が問題視されている
(3)コロナ禍で「郵便投票の急増」が見込まれている
などが挙げられます。
「増税路線」と「規制強化」を公約に掲げるバイデン候補が優勢を続けると、株式市場があらためて不確実性として織り込む可能性があります。
失業率は低下に転じた(3月の14.7%→8月は8.4%)とはいえ、本年初(2月は3.5%)からの雇用情勢の大幅悪化は否めません。
選挙の勝敗のカギを握るとされる「スイング・ステート」(中西部を中心とする接戦州)は製造業の拠点が多く、景気悪化の影響が強いことから、(選挙人獲得でトランプがクリントン候補に勝利した2016年当時とは異なり)「バイデンが優勢」との見方が有力です。
<図表2>大統領選挙の当選予想は伯仲の展開
もちろん、選挙の行方は当日まで予断を許さない状況です。そこで、トランプ陣営が支持率での「形勢逆転」を狙うとされる「オクトーバー・サプライズ」(10月の出来事)に注意したいと思います。