急反落のナスダック総合指数、まだ調整完了とは思えない

 8月まで急ピッチで上昇、最高値更新が続いてきた米国ナスダック総合指数ですが、9月に入ってから急反落しました。9月11日の終値(10,853.545)は直近の高値(9月2日の12,074.065)より▲10.1%低い水準です。

ナスダック総合指数日足:2020年5月1日~9月11日

 上の日足チャートを見る限り、ナスダックには調整未了感があります。過去6営業日の間に出た陰線が、下に向かうエネルギーが残っていることを彷彿(ほうふつ)とさせます。ナスダック上場企業がこれから本格化する世界の第4次産業革命(ITを活用した産業構造の変革)の中心になるとの見方は変わりませんが、それでも、短期的にはさらなる調整が起こることも考えられます。

 ナスダックが8月まで強かったのは、GAFAM(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル・マイクロソフト)など、世界のITインフラを支配しているIT大手の構成比が高いからです。コロナ危機によって、世界中で、第4次産業革命が加速しつつあることから、GAFAMの成長期待が一段と高まっています。

 ただ、8月までの上昇はややピッチが速過ぎました。時価総額約2兆ドルの巨大銘柄、米携帯電話大手アップルのような銘柄が、あたかも小型株のように上昇していたのは、やや行き過ぎと考えられます。過熱感が解消するまでは、もうしばらく調整が続く可能性があることを警戒すべきと思います。