本日の注目通貨

ユーロ/円:ラガルド総裁がユーロ高に「待った」をかけるか?

 今夜はECB(欧州中央銀行)の政策会合が開かれます。金融政策に変更はなく、政策金利は現行の0.00%に据え置かれる予定。注目は声明内容。ECBが欧州経済に対してどのような見解を示すのか、これが最初のチェックポイントになります。一部の理事は楽観的な見通しを強めているようで、追加緩和策もこれ以上必要ないと主張しています。

 市場関係者は、コロナ禍のなかでこれまでさんざん後ろ向きのニュースを聞かされてきたので、逆に良いニュースには抵抗力がない。ECBは弱気と決めつけているとサプライズが強くなりそうです。

 それ以上に注目なのは、記者会見でラガルドECB総裁がユーロ高について言及するかどうか。ここで思い出すのは、ドラギ前総裁の2014年5月の記者会見。「ユーロ高はECBにとって深刻な懸念を呼ぶ問題だ」との発言で当時のユーロ高トレンドは終了しました。

 ユーロ高が進んでいるなかで、ラガルドECB総裁が今夜、ドラギ氏のような発言をするのではないかという期待もあります。逆に言うと、ラガルド総裁がユーロについて言及しなければ、ユーロ高容認とみなされユーロが買われる可能性があります。もっとも、たとえユーロ高けん制をしても、口先介入以外にユーロ高阻止の手段を持っていないことがばれてしまったら、結局ユーロ買いとなるでしょう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成