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日経平均先物6月限を見る時の注意点
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

日経平均先物6月限を見る時の注意点

2017/3/13
・3月10日のCME日経平均先物(6月限)は19,445円で、同日の日経平均終値19,604円よりも、159円低い水準だった。これは、日経平均の先安感を表すものではない。ほぼ理論値通りに値がついているだけである。
・3月本決算の権利付き最終売買日(3月28日)まで、日経平均先物(6月限)は、日経平均よりも常に約130円低い水準で推移する。権利落ち日(3月29日)以降は、日経平均先物(6月限)は日経平均とほぼ同じ値で推移する。
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今日のポイント

  • 3月10日のCME日経平均先物(6月限)は19,445円で、同日の日経平均終値19,604円よりも、159円低い水準だった。これは、日経平均の先安感を表すものではない。ほぼ理論値通りに値がついているだけである。
  • 3月本決算の権利付き最終売買日(3月28日)まで、日経平均先物(6月限)は、日経平均よりも常に約130円低い水準で推移する。権利落ち日(3月29日)以降は、日経平均先物(6月限)は日経平均とほぼ同じ値で推移する。

(1)日経平均先物6月限の理論値は3月28日まで、日経平均より約130円低い

最初に、結論を述べます。紫で書いた結論だけ頭に入れていただければ、後半の説明はやや難解ですが、全部わからなくても問題ありません。

<結論①>日経平均先物6月限の理論値は、3月28日までは、日経平均(現物)の値を約130円下回る。その間、先物6月限が日経平均より130円低い水準にあっても、それは、先安感を表しているのではない。理論値通りに値がついているだけである。

<結論②>日経平均先物6月限の理論値は、3月29日以降は、日経平均(現物)とほぼ同値となる。3月29日以降は、先物6月限と日経平均は、ほぼ同じ価格で取引されることになる。

先週の木曜日(3月9日)は、日経平均先物3月限の最終売買日でした。日経平均先物(3月限)は、10日の朝に決まる特別清算値(SQ値)によって清算され、消滅します。3月10日は、もう3月限を売買することはできません。

代わりに、活発に売買されるのが、日経平均先物(6月限)です。6月限は、6月8日まで活発に売買され、9日の朝方に決まるSQ値で清算されます。

日経平均先物3月限は、ほぼ日経平均(現物)と同値で推移していました。ところが、6月限は、日経平均(現物)よりも理論値が約130円低いので、通常は130円低い値がつきます。3月限が消滅して、6月限を見るようになると、日経平均より低い値がついているので、「先安感を表している?」と勘違いする人がいます。

6月限の理論値は、日経平均より約130円低く、したがって、低い値がついて当たり前なのです。

(2)3月本決算の配当金の権利落ち(予想額)は130円

現時点で、日経平均先物(6月限)は、日経平均(現物)よりも約130円価値が低いわけです。その理由は、3月決算での配当金にあります。

日経平均(現物)を保有していると、3月決算の配当金の権利落ち日(今年は3月29日)に、配当金を受け取る権利が得られます。ところが、日経平均先物(6月限)を保有していても、3月配当金を受け取る権利は得られません。

日経平均先物(6月限)は、6月8日まで取引が可能です。6月9日のSQ値(特別清算値)で清算されます。SQ値は、日経平均採用銘柄(225銘柄)の6月9日の初値を組み合わせて計算されます。

日経平均先物(6月限)を保有していると、6月9日の初値まで、日経平均(現物)の上昇下落をすべて同じだけ受けます。ただし、配当金を受け取ることができない分だけ、日経平均(現物)よりも不利になります。

今年の日経平均の3月決算の予想配当金は、130円です。したがって、現時点で、先物(6月限)の理論値は、日経平均よりも130円低い水準となるわけです。

ところが、3月29日以降は、先物理論値と、日経平均現物価格がほぼ同値となります。3月28日までに日経平均(現物)を買えば、9月中間配当金を受け取る権利が得られますが、権利落ち日の3月29日に日経平均現物を買っても、配当金を受け取る権利は得られないからです。

3月29日から6月8日まで、日経平均先物を保有しても、日経平均を保有しても、どちらも3月配当金が得られないという点で、同じになります。したがって、3月29日以降は、両者はほぼ同値で推移することになります。

<参考>日経平均先物(6月限)の理論値の計算方法

詳しい説明は割愛します。概算値を出す計算式を掲載します。

(日経平均先物6月限理論値)=(日経平均の値)-(6月8日まで日経平均現物を保有することで得られる配当金予想額)+(日経平均現物を購入するのに必要な現金を6月8日まで短期金融市場で運用した時に得られる利息)

現在、短期金利はほぼゼロなので、金利要因は無視しても大丈夫です。配当落ちは、3月・9月が特に大きいです。6月や12月にもあります。

東京市場の取引時間中は、日経平均先物が理論値から大きくかい離することはありません。かい離すれば、裁定取引が入り、先物は常に理論値の近くに維持されます。ただし、東京市場の現物取引時間が終了すると(15時以降)、日経平均先物は理論値からかい離して動くようになります。裁定取引が入らないので、大引け後のニュースに反応して、日経平均の理論値から離れて動くわけです。

今日の説明は、わかりにくくてすみません。最初の紫の文字で書いた「結論」だけ覚えておいていただきたいと思います。

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