NYダウは90年代に大きく上昇、2000年代は足踏み、2010年から再び上昇加速

 NYダウに投資すれば、過去30年、いつでも上昇してきたように見えますが、実際はそうではありません。

【再掲】日経平均とNYダウの動き比較:1989年末~2020年8月末

※1989年末の値を100として指数化。出所:楽天証券経済研究所が作成

 NYダウは、1990年から2000年までの10年間で約4倍に上昇しましたが、その後10年間は、ITバブル崩壊やリーマンショックがあったため、ほぼ横ばいで推移。再び上昇が加速するのは2010年以降です。2010年から2020年までの10年で、NYダウは約2.5倍に拡大しました。

 2010年以降のNYダウを牽引したのは、以下4つの要因です。
【1】    米企業が世界のITインフラを支配して高収益を稼ぐ
【2】    シェール・オイル&ガス革命の恩恵大
【3】    トランプ政権が大型の法人減税実施
【4】    移民パワー。人口増加が継続

 近年、米中貿易戦争が、米国経済にも悪影響を及ぼし始めています。さらに、2020年には、コロナ危機に見舞われ、一時的に米景気が大きく落ち込みました。

 ただし、コロナが収束すれば、世界的に第4次産業革命(AI・IoTなどを使った技術革新)が進む中で、GAFAMを始め、米国のIT系企業の成長が一段と高まると考えられます。

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