本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは107.03

下値メドは104.63

今朝の天気マークは「晴れ」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

Under Pressure

 8月最終営業日のドル/円は円安に戻りました。東京時間には先週末の流れを引き継いで105.29円まで下落する場面もありましたが、その後はしっかり回復して106.10円まで上昇。しかし106円を維持することはできず終値は105.90円。

 ドル/円だけを見るとややドル高ですが、マーケット全体では「ドル安」ムードが強まっています。ユーロ/ドルは約2年ぶりの高値圏1.1966ドルまで上昇して、1.20ドルをうかがう勢いで、豪ドル/ドルも0.7403ドルをつけ2年ぶりの高値を更新しています。

 米国の4-6月期の経済成長は、前期比年率で▲32.9%でした。経済の「逆成長」はもちろん米国だけなく、全世界で起きています。日本も4-6月期のGDP(国内総生産)は前期比年率▲27.8%で戦後最悪の落ち込みを記録しました。程度の差はあるものの、世界同時逆成長のせいで、まだ本当の恐ろしさが見えきません。

 この不況はもちろんコロナウイルスが原因ですが、それをここまで悪化させたのは政治です。政治が経済をストップさせた。したがって経済を再開させる責任も政治にあります。再開を急ぎすぎると感染第2波にやられる。かといって経済再開に慎重すぎては他国に後れをとってしまう。いや、その前に自国経済が壊滅してしまう。米国のコロナ感染がなかなか収束しないのは、トランプ政権が経済再開を焦りすぎたのかもしれません。

 パウエルFRB(米連邦準備制度委員会)議長は、これから本格化する企業倒産を心配しています。FRBは緩和政策によって企業をサポートしていますが、それだけでは足りない。結局、会社がなくなれば仕事も永遠になくなるわけで、そのいちばんのしわ寄せは中低賃金労働者にくるのです。この問題についてパウエル議長は先週のジャクソンホールの講演において、中央銀行としては異例といえるほど踏み込んだ発言をしています。

 しかし、FRBは流動性を増やすことはできても、収入を増やすことができない。財政サイドからの支援が不可欠。ところが米国の追加景気刺激策は、11月の大統領選を睨んで、財政というより政治の取引材料になってしまった。米議会で成立するとしても妥協の産物でその規模は小さくなり、マーケットはすでに失望しています。「ドル安」材料が増えています。

毎ヨミ!FXトップニュース

31日のドル/円のNY市場終値は105.90円

 前営業日の終値比+0.56円だったので、今朝の天気マークは「晴れ」です。

今日の格言:

成功を喜ぶのはいいが、もっと大切なのは失敗から学ぶことだ - ビル・ゲイツ

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    コロナの問題は、中央銀行の金融政策ではなく財政政策が解決するべき
    集団免疫獲得の試み、膨大な死者を出す恐れ

ドル:
    ワクチン開発で失望ならドル急落も
    米商務省、ファーウェイへの制裁強化  輸出禁止対象に38の関連会社を追加
    ダラス連銀総裁「米経済は第3四半期に反発を予想するが、コロナ次第」
    ボストン連銀総裁「マイナス金利導入の考えはない」

米大統領選:
    共和党の重鎮パウエル元国務長官、民主党大会で異例の「バイデン氏支持」表明

ユーロ:
    EU(欧州連合)、米産ロブスター税撤廃 20年ぶり

ポンド:
    英大手外食チェーン財務担当「ファミレスに未来はない」

円:
    パナソニック、テスラ向け電池増産へ追加投資、新技術も採用

トルコリラ:
    トルコが黒海で天然ガス鉱床を発見  国内エネルギー需要の20年分を賄う規模

中国人民元:
    中国政府、米国の対イラン制裁再発動着手に「米国に資格ない」

その他:
    ハワイ初の本格的な鉄道「ホノルル鉄道」、2020年末の開業予定
    トランプ大統領、グッドイヤーの不買を呼び掛け
    ベラルーシで20代の日本人男性が拘束される  反政権デモに参加か

主要指標終値

出所:楽天証券が作成