本日の注目通貨

ユーロ/円:今週の予想レンジ 123.20円から127.30円

 トランプ大統領の経済公約の柱は「雇用創出(Labor)」。7月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)は176.3万人増加し、失業率は10.2%に低下しました。8月15日の週の「新規」失業保険申請件数は1万3,500件増加して110件。より広範囲の業種で人員削減が始まったことが観測されていますが、その一方で8月8日週分の失業保険「継続」受給者数は、63.6万人減り1,480万人に。継続受給者数が減ったのは、再雇用の数(失業保険からの流出)が、失業で申請する人(失業保険への流入)よりも多いということで、雇用の「再吸収」が進んでいることを示しています。

 しかし、コロナ不況がこれまでの不況と大きく異なるのは、失業者がレジャーや接客など社会的距離感、いわゆるソーシャルディスタンスの取り方が難しい業種に集中していること。飲食店やホテル、小売などの業種で失われた雇用のうちの4分の1は「永久に戻ることがない」という悲観的な分析も出ています。

 外交は中国(China)。米中貿易協議「フェーズ1」については、中国は合意を実行していると融和的なメッセージが米国側から出ています。ところが、米軍のU2偵察機が中国の実弾演習を行う飛行禁止区域に侵入したことに対して中国国防省が異例の抗議。同種の事件で、2001年には軍事衝突寸前まで緊張が高まったこともあり、マーケットは警戒しています。特に、対中問題は円や豪ドルの動きに影響を与えます。

 いずれにしても、これからは、景気刺激策から新型コロナ対策までが、政治の駆け引きの道具として扱われることになるのでしょう。

 今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は125.25円。125.25円より上ならばユーロ買いが優勢、125.25円より下ならばユーロ売りが優勢。

129.25円: 2018年12月 高値
128.07円 : 第3 レジスタンス(HBO)

127.50円 : 2019年 高値
127.27円 : 第2 レジスタンス

126.80円 : 2019年04月 高値
126.75円 : 08月 高値(08月13日)
126.05円 : 第1 レジスタンス

125.37円 : 08月の中心値 

125.25円 : ピボット

124.43円 : 06月 高値(06月05日) 
124.29円 : 07月 高値(07月20日)
124.03円 : 第1 サポート

123.99円 : 08月 安値(08月03日)
123.23円 : 第2 サポート

122.87円 : 01月 高値(01月16日)
122.01円 : 第3サポート(LBO)

121.40円 : 02月 高値(02月20日)
121.32円 : 2019年の中心値
121.15円 : 03月 高値(03月25日)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成