2020年まで繁忙と言われてきたゼネコン業界、2021年以降はどうなる?

 建設・土木業は、2016年ころから「東京五輪まで超繁忙が続く」と言われてきました。実際、2020年にかけて大型プロジェクトが目白押しでした。東北復興・リニア新幹線・東京五輪・国土強靭化などです。さらに、都心部で再開発プロジュクトが多数ありました。
ただし、「東京五輪後には仕事ががくんと減る」とも言われてきました。そのイメージがあるため、建設株は、利益が増えても2018年以降、株価は低迷してきました。
 ついに、2020年となりました。東京五輪は1年延期されました。大型プロジェクトはピークアウトしつつあります。コロナ・ショックの影響もあり、都心の再開発ブームもピークアウトしそうです。ただし、それでも3~4年前に言われていたように、2021年にいきなり仕事ががくんと減ることはなさそうです。
 建設需要は低下しそうですが、土木、特に防災分野は、やることが山積しています。最近注目を浴びているのは、集中豪雨による水害に対する備えです。今のままでは、夏のゲリラ豪雨や大型台風によって河川の決壊などが懸念される地域が各地に残っています。
また、地震や津波に対する備えもまだ十分ではありません。老朽化した社会インフラのリニューアルも必要です。予算の手当てがつくならば、土木事業はこれから拡大していくと考えられます。

分散投資として、大手ゼネコンに少し投資してみても良いと判断

 株価が割安で、配当利回りも3%台で高めの銘柄が多いことから、大手ゼネコン株にも、少し分散投資していって良いと考えています。ただし、来期以降の業界環境に不透明要因があるので、まだ積極投資する条件は整っていないと思います。あくまでも分散投資として、株価が割安と考えられるうちに少しだけ投資してみる、というところです。

 今期は、コロナ・ショックの影響で建設工事が滞った影響から、建設業界全般に、業績悪化が目立ちます。建設工事が再開されても、コロナ対策で、コストアップが見込まれます。今は、建設よりも土木に強みのある銘柄の方が、投資価値が高いと思います。