本日の注目通貨

ドル/円:週末にかけての予想レンジ:103.55円から107.25円

 7月の失業率は、10.5%に下落(改善)する予想になっています。失業率10.5%というのが、絶対的な水準として良いか悪いかということはさておき、3ヵ月連続で下落するならば、少なくとも米労働市場が底打ちしたといえるでしょう。

 しかし、底を打ったからといって、コロナ前の状態に戻ったわけではありません。それは全く別の話。米雇用市場が元通りになるまでにはまだまだ長い時間が必要で、その過程では辛い痛みを覚悟しなくてはいけません。

 コロナ不況がこれまでの不況と大きく異なるのは、失業者がレジャーや接客など社会的距離感、いわゆるソーシャルディスタンスの取り方が難しい業種に集中していること。飲食店やホテル、小売などの業種で失われた雇用のうちの1/4は「永久に戻ることがない」という悲観的な試算も出ています。Go To キャンペーンだからといって、毎週旅行する人はいません。失われた消費は今後も戻ってくることはないのです。

 せっかく雇用市場に底打ち感が見えた矢先に、コロナ感染の再拡大によってフロリダ州やテキサス州で経済再開にストップがかかっています。復活しかけたサービス業の雇用がまた遅れ、回復が「トレンド化」する前に消えるおそれは十分にあります。この影響が、雇用統計の数字に表れるのは8月分からといわれています。今回の結果が良くても素直に安心できないのです。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成