本日の注目通貨

トルコリラ/円:逃げろ! 週末レンジ予想:14.65円から15.25円

 トルコリラ/円は、しばらく15.60円前後で落ち着いた動きを続けていたのですが、7月後半になって急に活動を再開しています。7月29日には15.00円を割り、さらに30日には一時14.88円までトルコリラ安が進んでいます。

 トルコリラ/円の過去最安値は、今年5月7日につけた14.58円。このときはトルコの銀行監督当局が、トルコ金融市場における為替などの金融取引を大幅に規制したことがきっかけになって海外の投資・投機マネーが流出、トルコリラが急落しました。今はこの最安値を目指して進んでいるようです。

 トルコリラの急落はこの時に限ったことではなく、他の新興国通貨と比べても頻繁に発生しています。そして特に警戒したいのは8月。

 トルコリラが8月に下落する確率は、対ドルでいえば、ここ10年間は7割という高確率。しかも平均下落率は▲1.5%以上と下落率も大きい。対円では、2018年8月にトルコ・ショックと呼ばれる暴落が起きています。この時は2日間で約2.60円下落しました。また2019年8月にも1日で1.90円急落。トルコリラ/円の1日の平均値幅はおおよそ0.20円前後です。発生頻度もそうですが、平均値動きの10倍という下落の激しさも注目に値します。

 トルコリラ/円の下落は、ドル/円が「円高」に動いているせいもあります。ただ、同じ新興国通貨の南アランドと比べてみると、7月の南アランドは対円で約3%上昇しています(南アランド高)。ところがトルコリラは逆に3%約下落。やはり、トルコリラ「由来」の問題があると考えるべきでしょう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成