本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは105.74

下値メドは103.91

今朝の天気マークは「雨」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

トルコリラ、いつまでもちこたえられるか

 30日(木曜)のマーケットも「ドル安」が続行。ドル/円は東京時間に105.29円まで上昇する場面もありましたが、流れは変わらず、NY市場の終了前には29日の安値(104.77円)を更新して104.68円まで下落。ユーロ/ドルも1.1848ドルまでしっかり上値を伸ばし、2018年6月以来の高値を更新。

 ドル売りの理由は、米国のGDP(国内総生産)が過去最大の下落幅を記録したことがきっかけ。この日発表があった4-6月期米国GDP速報値は、前期比年率▲32.9%でした。コロナで経済が完全停止していた時期のデータですから良いはずないのです。事前予想が▲25%から▲40%という状況ではデータに正確性に疑問があります。とはいえ、米経済が他国に先んじて立ち直り世界経済のけん引役と果たすという幻想はくずれたという意味でドル売りは正当化されたといえます。

 なお、トランプ氏は大統領選の投票日を延期するしかないどうかとツイートしましたが、大統領にその権限はない(議会が権限を持っている)ので慌てることはないでしょう。

 ドル売りテーマに隠れていますが、新興国市場では非常に気になる動きがでています。それは「トルコリラ」。トルコリラの8月「暴落」は、かなりの頻度で発生しているのです。トルコリラに何が起きているか。「今日の注目通貨」をご覧ください。

毎ヨミ!FXトップニュース

30日のドル/円のNY市場終値は104.74円

 前営業日の終値比▲0.21円だったので、今朝の天気マークは「雨」です。

今日の格言:

常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう - アインシュタイン

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    世界の花市場が消滅寸前。レストランや結婚式の需要なくなる
    マスクが供給過多で値崩れ  ユニクロや無印良品の参入の影響

ドル:
    FRB(米連邦準備制度理事会)理事にシェルトン氏。トランプ陣営の通貨担当顧問で金本位制復古主義者 
    米国のヒトの移動量は減っていない  感染予防が不十分なことを示す
    カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁「米国で多くの中小企業が倒産危機」
    現金給付の効果、はやくも薄れはじめる。しかし今後は審査基準が厳しく

ユーロ:
    ECB(欧州中央銀行)、欧州の銀行合併を促すため条件を緩和
    デギンドス理事「経済見通しは以前より明るくなった」

ポンド:
    英小売業界、今年の人員カットすでに2万5,000人。消費スタイルの変化に追いつけず
    スコットランド独立支持広がる 最新世論調査50%超が賛成

円:
    日本の空調設備メーカーが売り上げ増 テレワークで自宅環境の意識強まる

NY金先物:
    米10年実質利回りとの間に強い相関関係が存在

原油先物:
    中国が備蓄原油の余剰分を転売か

その他:
    銀河系内で36の知的文明が交信している可能性  英研究チームが算出
    台湾、タイ、ベトナムが為替操作国の監視対象に
    本当はもっと物価高。商品の多くを値段変わらずとみなして集計
    ポリ袋はゴミ問題にならない。可視ごみの1%未満、自治体ごみの0.4%

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

トルコリラ/円:逃げろ! 週末レンジ予想:14.65円から15.25円

 トルコリラ/円は、しばらく15.60円前後で落ち着いた動きを続けていたのですが、7月後半になって急に活動を再開しています。7月29日には15.00円を割り、さらに30日には一時14.88円までトルコリラ安が進んでいます。

 トルコリラ/円の過去最安値は、今年5月7日につけた14.58円。このときはトルコの銀行監督当局が、トルコ金融市場における為替などの金融取引を大幅に規制したことがきっかけになって海外の投資・投機マネーが流出、トルコリラが急落しました。今はこの最安値を目指して進んでいるようです。

 トルコリラの急落はこの時に限ったことではなく、他の新興国通貨と比べても頻繁に発生しています。そして特に警戒したいのは8月。

 トルコリラが8月に下落する確率は、対ドルでいえば、ここ10年間は7割という高確率。しかも平均下落率は▲1.5%以上と下落率も大きい。対円では、2018年8月にトルコ・ショックと呼ばれる暴落が起きています。この時は2日間で約2.60円下落しました。また2019年8月にも1日で1.90円急落。トルコリラ/円の1日の平均値幅はおおよそ0.20円前後です。発生頻度もそうですが、平均値動きの10倍という下落の激しさも注目に値します。

 トルコリラ/円の下落は、ドル/円が「円高」に動いているせいもあります。ただ、同じ新興国通貨の南アランドと比べてみると、7月の南アランドは対円で約3%上昇しています(南アランド高)。ところがトルコリラは逆に3%約下落。やはり、トルコリラ「由来」の問題があると考えるべきでしょう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

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◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。