本日の注目通貨

ドル/円:週末のレンジ予想:103.20円から108.10円

 ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は105.65円。105.65円より上ならばドル買い優勢、105.65円より下ならばドル売り優勢。29日のNY終値は104.95円。

 パウエルFRB議長は、FOMC後の記者会見において「今後の経済の行方は非常に不確実」との見解を示し、FRBは経済を支えるためにあらゆる手段を尽くすと述べました。ただ同時に、さらなる財政支援が必要と強調しています。

 現在の経済問題は「収入」問題ともいえます。米国の失業特別給付金が終了すれば失業者の収入はゼロになる。今仕事がある人も将来が不安になり、消費を切り詰めることになる。経済回復がさらに遅れるのです。FRBの政策は、資金の流動性を増やすことはできても家計収入を増やすことはできない。だから財政政策が重要なのです。さらに言うなら、FRBは新型コロナ感染を止めることもできない。現段階で、これ以上FRBができることはないのです。

 米国では南西部の州を中心に新型コロナ感染が加速、1日6万人のペースで増加しています。コロナウイルスによって米国経済にさらにダメージを受けたり、社会的混乱が広がったりすることになれば、消費者センチメントがさらに悪化する可能性は大きい。

 米国の地方財政の悪化はリーマン・ショック時を凌ぎ、大恐慌時代以来の危機的状況といわれています。FRB(米連邦準備制度理事会)は、ゼロ金利や量的緩和で経済を必死に支えていますが、金融政策は流動性を供給できても雇用や所得を回復させるには十分ではありません。地方自治体を財政破綻から救うためには、ら財政出動が緊急に必要といわれています。

 ところが、大統領選という「政治事情」が邪魔をして、連邦政府は柔軟に動けない状況。もし、11月まで何もできなければ、消費者信頼感は急落し、米国は長いリセッションに迷い込むことになります。


108.98円 : 第3レジスタンス(HBO)
108.20円 : 2019年 中心値
108.16円 : 07月 高値 (07月01日)
108.10円 : 第2レジスタンス
108.09円 : 05月 高値 (05月19日)


106.70円 : 2020年 中心値
106.52円 : 第1レジスタンス
106.46円 : 07月 中心値  
106.07円 : 06月 安値 (06月23日)

105.98円 : 05月 安値 (05月06日)


105.65円 : ピボット


104.77円 : 07月 安値 (07月29日)
104.07円 : 第1サポート

103.19円 : 第2サポート

101.61円 : 第3サポート(LBO)
101.17円 : 2020年安値(03月06日)

100.07円 : 2016年 09月 安値
99.53円 : 2016年 08月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ

米欧の景気センチメントに差。米国は下向き、欧州は上向き

ミシガン大学消費者態度指数

ドイツ、欧州 製造業PMI

ドイツ、欧州 サービス業PMI