自分の運用が、世の為、人の為になっているか

 今回のテーマは、「君子は義に喩(さと)り、小人(しょうじん)は利に喩る」です。これは、論語にある孔子の言葉で、「徳のある人は、それが正しい道であるかどうかを考えの根本に判断しているが、小人はそれが自分の利益になるかで判断している」という意味です。

 多くの人は自分の資産を増やすために運用しているので、増やそうと思うこと自体は当たり前であり、悪いことではありません。ただ、自分の資産を増やそうという思いだけだと、それは自分の利益になるかどうかの「利」=自我ということになります。

 自我は一喜一憂のもとであり、資産運用において、うまくいかない方向に向かってしまいます。一喜一憂の心理から抜け出すためには、自我ではない考えを根本に持つことです。それが「義」につながるもので、「自分の運用が、世の為、人の為になっているかどうか」で考えることです。