本日の注目通貨

ユーロ/円:今週のレンジ予想:121.35円から125.50円

 今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は123.40円。123.40円より上ならばユーロ買いが優勢、123.40円より下ならばユーロ売りが優勢。

 最近よく「リスクオンになったからドル安」と解説している記事を見かけますが、どうでしょうか。確かに、コロナウイルスが一時的に引いた時に有事のドルが不要になった、そんな理由でドルが売られていたこともありました。

 しかし、今ユーロが買われている理由は「ユーロ由来」であって、ドルが主導権を握っているわけはない。為替Walkerでも何度か触れていますが、EU(欧州連合)が欧州復興基金の設立の合意にこぎつけて、これがユーロのトレンドを変えるきっかけになったのです。政治(EU)と金融(ECB)がコラボして周辺国の破綻リスクが格段に小さくなったおかげで投資家は安心して欧州に投資できるようになった。欧州株式市場の上昇が、ユーロ上昇の推進力となっているのです。

 欧州諸国が米国に比べてコロナ第2波をうまくやり過ごして、順調に経済再開をスタートさせていることも、経済面で優位に立っています。(ただ、スペインでは感染者が拡大。スペインは欧州のなかでGo Toトラベルを積極的に展開していた…いやな予感)

 いずれにしても、「NY株が上昇してリスクオンになってドルが売られてユーロは上昇しました」的な解説は、たまたま結果が合っていただけ。金価格が史上最高値を更新したことを考えると、むしろマーケットは「リスクオフ」に傾いているのではないかと思うのです。

 海外の投機筋のポジションは「今日の注目グラフ」のIMMポジション推移をご覧ください。

127.50円 : 2019年 高値

126.80円 : 2019年04月 高値
126.64円 : 第3 レジスタンス(HBO)

125.47円 : 第2 レジスタンス
125.23円 : 2019年05月 高値

124.58円 : 第1 レジスタンス
124.43円 : 06月 高値(06月05日)
124.29円 : 07月 高値(07月20日)


123.40円 : ピボット


122.87円 : 01月 高値(01月16日)
122.28円 : 07月の中心値

121.51円 : 第1 サポート
121.40円 : 02月 高値(02月20日)
121.34円 : 第2 サポート
121.32円 : 2019年の中心値
121.15円 : 03月 高値(03月25日)

120.45円 : 第3サポート(LBO)
120.26円 : 07月 安値(07月01日)

119.90円 : 05月 高値(05月29日)
119.77円 : 01月 安値(01月30日)
119.42円 : 2020年の中心値
119.31円 : 06月 安値(06月22日)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ

海外投機家はすでに動いていた!「円・ロング」と「ユーロ・ロング」が増加

 CFTC(全米先物取引委員会)公表による、7月21日時点のシカゴIMMの通貨先物ポジション状況は、円は19,307枚の「ロング(=約23億ドル相当の円の買い持ち)」で、前週に比べてポジションは5.4%増加しました。円・ロングは2週連続で増加。円の先高観が強まっていることを示唆。

 ユーロドルは、125,047枚の「ロング(=約156億ユーロの買い持ち)」で前週比+12.7%。ユーロ・ロングは2週連続で増加。ユーロの先高観を反映