誰もが知っている有名企業にも割安株はある! 

 オリックス(8591)ソフトバンクグループ(9984)といった、誰もが知っている有名株の取引でも、1,000万円以上の利益を出しているかぶ1000さん。

「オリックスは不動産、保険など多角化して、海外展開にも積極的な優良株の位置づけで投資しました。金融セクターに属し全体相場の影響を強く受ける習性があり、比較的ボラティリティー(価格変動性)もあることから、中長期目線でスイングトレードするには最適の銘柄として現在も投資継続中です。一方、悪材料が出ている『ビジョン・ファンド』に何かと注目が集まるソフトバンクグループですが、この株は基本、アリババの株価とリファイナンス費が重要で、この2点以外の要因で株価が下落した際は投資チャンスだと思っています。携帯キャリア部門のソフトバンクKK(9434)の上場で財務内容が急改善し、保有するアリババの含み益も拡大して、保有株式の評価額が同社の時価総額を大きく上回る状況になった2018年12月より投資を開始して、利益を積み上げました」(かぶ1000さん)

 そんなかぶ1000さんでも時には失敗もするもの。

「コロナ・ショックの過程で移動制限の直撃を受けるということで株価が大きく下落した東日本旅客鉄道(9020)では、下落する過程で信用取引中心に安易な買い下がりを行ってしまい、失敗しました」(かぶ1000さん)

 また、エアバックのリコール問題で株価が急落したタカタ(現在上場廃止)や、2019年12月に前社長が逮捕された不動産デベロッパー・プレサンスコーポレーション(3254)などでも損失はこうむったものの、損失額は最大でも800万円以下。「ダメだ」となったときに素早く損切りする見切りのよさ、潔さも、年率20%以上の運用益を叩き出せる秘訣といえるだろう。

 プロ顔負けの企業分析は初心者には難しい。しかし、誰もが知っている大型株でもきっちり利益を上げているかぶ1000さんの「バーゲンセールを狙う」発想や着眼点からは、きっと多くのことを学べるはず。

「最初は誰でも素人ですし、失敗もあると思います。私は儲(もう)けようという気持ちで投資するより、結果的に儲かったという形を目指すべきだと考えています。株式投資は大きな間違えさえしなければ複利の効果で、時間が味方してくれるため、多少のミスならカバーしてくれます。ただ、必要以上にリスクを抱えた投資や、継続性のない無理な投資をしてしまうと、遅かれ早かれ退場となってしまうこともあります。大切なのは自分のペースで無理のない形で継続して投資をしていくこと。種銭が少ないときでも、配当金の再投資はもちろん、継続して株式投資を続けていくことが成功への近道だと私は思います」と、かぶ1000さんは投資初心者へアドバイスを送る。

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かぶ1000さんプロフィール

 中学2年だった1988年から株式投資を始め、今年で専業投資家歴31年目を迎える大ベテラン。2011年に独自の割安株投資で1億円プレイヤーに。時価総額に比べて、正味の流動純資産が著しく多い「ネットネット株」や豊富な不動産含み益などを持つ「資産バリュー株」への投資で、2019年7月16日には累積利益4億円を突破した。保有株式全体の運用利回りが年20%超になることを目標に日々、割安株の発掘にまい進。人気ブログ『かぶ1000投資日記』でポートフォリオや運用成績を公開する他、ツイッターやツイキャスでも投資術を披露している。

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