新興国債券は挽回が難しくなる可能性

 この仕組みから、ブラジルに代表される新興国の債券と通貨が軒並み弱含む中、今もなお毎月の分配を継続しているファンドの中には、運用開始当初1万円あった基準価額が数百円台まで低下しているものもあります。ここまで基準価額が大きく毀損(きそん)し、ファンドそのものが「弱体化」してしまうと、今後どれだけ新興国市場が回復したとしても基準価額の挽回は難しくなります。満期償還を待たずに繰上償還される可能性もあり、注意が必要です。

REITの影響は限定的だが急落リスクも

 他方、新興国債券と同じように毎月分配型が多いREITは、不動産の賃料収入という安定したキャッシュフローが見込める資産のため、新興国債券・通貨を組み入れたファンドと比べると、影響は限定的です。ただし、REITに投資するファンドも、基準価額の変動幅の大きさには十分に注意する必要があります。

 投資信託の世界ではメジャーなREITですが、株式や債券と比べると市場規模は小さく、今回のコロナ・ショックのような事態が起こると、世界中の投資家が一気に資金を引き揚げて急落することがあります。

分配金はこう決まる

「暗」の資産は付き合い方を慎重に

 以上見てきたように、「暗」の資産はそもそも短期の価格変動が大きく、相対的なリスクが高いという点には今一度留意する必要があります。原則は、積み立て投資などで時間を味方につけること。分配金のような定期的なキャッシュフローを望む場合は、身の丈にあった分配を実現できているファンドを選ぶことが大切です。

≫≫「コロナ・ショック後の明暗(1)変動相場で見える投信の勘所」を読む

時間を味方に投資するために

≫≫ 今こそ再考したい毎月分配型ファンドの賢い選び方