相関関係:ビットコインの値動きの方向性は、比較的、株価と銀と似ていた

 この半年間、ビットコインの値動きは比較的、株価の値動きに似ていました。また、株価に似た動きをした貴金属の“銀”にも似ていました。

図:ビットコインとイーサリアム、各種銘柄の相関係数 (2020年1月6日から6月23日)

出所:楽天ウォレットおよび、マーケットスピードⅡ、同CXのデータをもとに筆者作成

 相関係数は、2つの対象物の関係性を数値化したもので、+1と-1の間で決まります。+1に近ければ、2つの対象物の関係は正(連動するように動いていること。相関)、-1に近ければ、関係は負(正反対に動いていること。逆相関)、0に近ければ2つの対象物は、関りがないこと(無相関)を意味します。

 具体的には、

0~+0.3(-0.3):ほぼ無相関
+0.3~+0.5(-0.3~-0.5):弱い相関(逆相関)
+0.5~+0.7(-0.5~-0.7):相関あり(逆相関あり)
+0.7~+0.9(-0.7~-0.9):強い相関(強い逆相関)
+0.9以上(-0.9以下):非常に強い相関(非常に強い逆相関)

 となります。

 相関係数は、具体的に言えば“方向性”がどれだけ近しいかを示すため、値動きの程度(騰落率)はどうあれ、上昇(下落)する時にどれくらい一緒に(正反対に)上昇(下落)したかを示しています。

 この半年間の、ビットコインと日経225の相関係数は+0.78、マザーズ指数も+0.78、銀は+0.76でした。この関係から、ビットコインの値動きを考える上で、“株価の動向”を重視すべきだと言えそうです。

 また先述のとおり、ビットコインとイーサリアムは、比較的同じタイミングで山と谷を描く傾向があることから、イーサリアムの値動きを考える上でも、株価の動向は重要なヒントになると言えます。

 暗号資産に投資をする場合は、当然、損益の源泉である暗号資産自体の価格に注目することが非常に重要ですが、暗号資産の価格推移に似ている主要な株価指数の値動きに、注意を払うことも重要だと言えます。