自社株買い発表をネタに短期マネーが売買すると、株価は乱高下する

 大規模な自社株の市場買い付け枠を設定した企業に対して、短期マネーが先回りの買いを入れて、株価が上がることもあります。自社株買いが続いている間、株価は堅調です。ところが、短期マネーは「自社株買い付け終了」が発表される時には、株を売ります。

 短期マネーが注目するのは、自社株買いで1株当たり利益が増えることではなく、株の買い付けで短期的に株が上がることだけです。

 ファナック(6954)アマダHLDG(6113)など、バランスシートにキャッシュをたくさん抱える企業が、自社株買いを積極化すると発表した時は、短期的に株価が急騰しました。自社株買いそのもののメリットより、「自社株買い積極化」という材料が重視されたためです。

 こうした自社株買いからみの、投機筋の動きには、注意が必要です。