自社株買いのメリット、おおまかな計算

 自社株買いを発表する企業が増えています。発表された自社株買いが、株主にどのくらいのメリットがあるか、おおよその見当をつける方法を、お教えします。
 発表された自社株買いがすべて実行されるとした場合、発行済株式数が何%減るのかを見ると良いです。

 具体例を見てみましょう。以下は、2020年5月22日に発表された、日工(6306)の自社株買いの概要です。

(1)取得対象の株式の種類:自社の普通株式
(2)取得し得る株式の総数:800,000株(上限)(発行済株式総数に対する上限割合2.06%)
(3)株式の取得価額の総額:4億円(上限)
(4)取得期間:2020年5月25日から9月30日
(5)取得の方法:東京証券取引所における市場取引

 ここで、一番注目していただきたいのは、青で表示した、発行済株式総数に対する割合です。2.06%となっています。上限株数を買い付けると、発行済株式総数が、2.06%減少します。ということは、1株当たり利益が、おおむね2.06%増えるわけです。

 つまり、PER(株価収益率)などの株価評価が変わらなければ、自社株買いで、1株当たり利益が2.06%増加し、株価が2.06%程度、上がると期待することができるわけです。

 厳密に計算すると、もう少し異なる結果となりますが、ざっくりしたメリットの把握としては、上記でオーケーです。