買いの判断はNYダウの動きを見極めてから

 ただ、もみ合い相場は「値動きが荒い割に方向感が出ない」、「前日の米国株の流れを受けて株価水準自体は上下するも、取引時間中はあまり動かない」という展開になりやすいため、思ったよりも利益が期待できないかもしれません。さらに、このまま下値をうかがうサブシナリオも引き続きくすぶっています。特に足元で気を付けなければならないのは、米株市場の動きです。

■(図3)米NYダウ(日足)とMACDの動き(2020年6月12日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の日経平均の下落スイッチを押したのは米株市場の下落です。とりわけ、11日(木)のNYダウ平均株価が前日比で1,861ドル安と過去4番目の下げ幅となったことが影響しました。

 新型コロナウイルスの感染第2波に対する警戒と、FOMC(米連邦公開市場委員会)後に示したFRB(米連邦準備制度理事会)の経済見通しがネガティブだったことが株価下落の要因として挙げられていますが、感染再拡大と経済回復スピードそのものは、すでに想定されていたリスク材料で目新しいものではなく、どちらかというと売りの口実にされた印象があります。実際に、NYダウは25日移動平均線がサポートとして機能しています。

 ただし、その一方で200日移動平均線を跨ぐ格好で「アイランド・リバーサル」が形成されているほか、下段のMACDもシグナルを下抜けており、トレンド転換のサインも出現しています。

 目先の天井圏が意識されていますので、今週のNYダウが25日移動平均線を下抜けてしまうと、下げが加速してしまう可能性があります。

 米国で新規感染者が増加しているのは、テキサスやアリゾナなど、経済再開を優先した州であり、感染防止を優先したニューヨーク州などでは反対に減少傾向であることから、経済活動と感染拡大をめぐる動向は今後も株式市場を揺さぶることになりそうですし、さらに、先週末は国内株市場がSQ日でしたが、今週末(19日)は米株市場が先物取引の精算日を迎えるスケジュールでもあるため、値動きが荒くなることも考えられます。

 ですので、買いを入れる判断は週初のNYダウの動きをまずは見極めることが必要になりそうです。