コロナ・ショックで分かれた明暗

 各資産は、コロナ・ショックによって次のように「明」「暗」が分かれました。

米国株式
国内株式
先進国債券
国内債券
新興国株式
先進国リート
国内リート
新興国債券
原油

コロナ・ショックの影響を振り返る【株式、リート】

 では、株式とリート(REIT:不動産投資信託)の状況を見ていきましょう。

 今回の一連のコロナ・ショックがやや特異だったのは、米国を中心とした世界の株式市場が3月下旬に底をつけた後、まるで実体経済を無視するかのように急回復したという点です。社会不安が高まる中でも株価が上昇を続けた背景には、各国の大規模な金融・財政支援策という後押しがありました。米国株式市場では、S&P500種株価指数が2月につけた、過去最高値まであと一歩というところまで上昇しています。米国と同様、日本を含む主要先進諸国の株式市場もおおむね回復しましたが、新型コロナウイルスの感染抑制になかなか歯止めがかからない新興国は、相対的に出遅れています。

 また、リートも、先進国株式と比べると急落後の回復力が鈍く、2月につけた高値水準には到底及びません。

パフォーマンス比較(分配金再投資基準価額)