天才じゃなくてもデイトレーダーになれる?

──世の中には年収1億円、2億円というデイトレーダーもいますよね。それについてはどう思われますか。

 そういう人は、僕ら常人にはない、何か特別な才能を持っているんだと思います。これは感覚値ですが、他に一切収入源がなく、トレード一本で生活できる「専業」デイトレーダーになれるのって5%程度だと思うんです。もちろん僕も「専業」ではないので、この5%には入れなかったということです。

 今、100人デイトレーダーになったとしたら、おそらく70人は数カ月で資金がショートして撤退します。さらに残った30人中20人は1年で離脱。結果、10人残りますが、そのうち半分程度は3年程度で相場の変化に対応できず、淘汰(とうた)されるでしょう。

──3年後には100人が5人になる……。

 多く見積もってもそれくらいだと思います。

──しかも、その5人が全員、億トレーダーになれるわけではありませんね。

 全員どころか1人もなれないケースが多いと思います。その5人のなかのごく限られた人だけが何千万円、何億円という境地に足を踏み入れることができるんです。

──Rょーへーさんなら可能性があるのでは、と思うのですが。

 いえいえ、僕は天才じゃないから無理です。それは最初の1年間負け続けてはっきりわかりました(笑)。

 僕は凡人でも勝てる方法はないか、年収1億円は無理でも数百万円なら可能なのではないかと考えました。それで逆張りデイトレードという方法にたどり着き、何とか生き延びてきました。

──Rょーへーさんのマネをすれば、天才でなくても成功できるでしょうか。

 人によって向き不向きがあるので、同じやり方で誰でもうまくいくとは限りません。ただ、一握りの天才でなくてもデイトレーダーになれるかと聞かれたら、それは可能だと思います。

──では、デイトレーダーを目指す人にアドバイスをいただけますか。

 まずは「専業」でなく、僕のような「兼業デイトレーダー」を目指すことをすすめます。

 前回話したように、僕がやっている「逆張りデイトレード」は、勝てる確率が高いときだけ勝負する、という戦法です。逆に言えば、勝てそうにないときは無理に参戦しない。その日の利益は諦めることが大事です。

 その上、大勝ちは狙わず、こまめに利確します。つまり、毎月何十万円か稼がなければならないという状況に置かれた人よりも、余裕を持って参戦できる人のほうが勝ちやすい方法だと思います。

──専業だと無理な勝負に挑まざるを得ないので、負けやすいということですね。

 はい。僕の場合も学習塾やブログの収入があることが大いに助けになりました。

──先ほど、専業デイトレーダーの生存率は5%と伺いましたが、兼業デイトレーダーならもっとチャンスがあるでしょうか。

 それはもうぜんぜん違うと思います。一概に生存率が何%に高まるかはいえませんが、かなりチャンスは広がると思います。

 ただ、1つネックがあるとすれば、他の仕事をする場合はトレードをする9時~15時以外の時間を使う必要がある、ということですね。夕方から夜にかけてできる仕事を探すとか、工夫が必要でしょう。