『デイトレで勝てない人のためのブログ』を運営、YouTubeチャンネル『デイトレ塾』でも情報発信を行うデイトレーダー・Rょーへーさんのインタビュー後編をお届けします。
今回はズバリ、トレードの収支をお伺いするとともに、今後デイトレーダーを目指す人へのアドバイスをいただきました。
勝率は9割弱!最高記録は61連勝
──前回、3月は月間収支が100万円を超え、4月は20万円弱と伺いました。かなり開きがあるのですね。
実は4月は身近に新型コロナの感染者が出たこともあって、精神的にまいっていたんです。パソコンの前に座っても今ひとつ、モチベーションが湧かず、1日に数回しか売買しないこともありました。
普段通りにやっていても2カ月連続100万円は難しかったと思いますが、うまくやればもうちょっと稼げたかもしれません。
──普段は1日にどのくらい売買するのですか。
それは日によります。数十ということもあれば、100を超えることもあります。僕は2006年からデイトレードをやっていますが、2016~2017年あたりが一番集中して取り組んでいました。その頃は200を超えたこともあります。
──前回、かなり安いところに買い指値を入れると伺いました。その方法で、1日200回も売買できるのですか。
あの頃はとにかく稼ぎを増やしたいという思いが強かったので、今より買いやすいところに指値を入れていました。だから、当然、負けも多かったです。
──1日に100~200回売買するとなると、買ってすぐ売るという感じでしょうか。
そうですね、早いと2~3分で売ります。買い指値を入れていた価格まで下がって約定、予想が当たってすぐに上がり、天井が見えてきたので2分後に売る、みたいな。
ただし、今は少し売買のペースを落としているので、そういうケースはあまり多くありません。もう少し余裕を持って取引に臨んでいます。
──それでも3月は月間収支100万円を超えています。売買の回数を抑えてもきちんと結果が出ていますね。
3月は投資環境がよかったからだと思います。
──普段は月平均どれくらいの利益が上がっているのでしょうか。
一番気合いを入れていた2016年は、デイトレードだけで年間700万円の収入がありました。月平均約60万円。2017年はそれより少し少ないくらいです。その後はペースを落としたので、月30万~40万円くらいです。
ブログやYouTubeの収入と合わせれば、生活するには十分です。
──ちなみに月トータルでマイナスになることはありますか。
2016年以降だと1度きりです。2019年8月のことで、4万9,000円のマイナスでした。
──1日単位だといかがですか。
1日単位だとマイナスで終わることもあります。でも、勝率はかなり高いと思います。今年前半は1月が17勝2敗、2月が13勝3敗1分、3月が18勝3敗、4月が18勝2敗という具合です。3月は、勝率はいつも通りですが、1日の勝ちが大きかったんです。
ちなみに過去には61日間勝ち続けたことがあります。ただ、なぜか連勝したときって、止まった後、大敗する傾向にあるので、今は連勝にはこだわっていません。
──勝率でいうと9割。すごいです。
僕のトレード法は、1日当たりの利益はたかがしれていますが、勝率が高いので、安定した成績を残すことができます。そういう意味でも、コツコツ稼ぎたいという人には、僕がやっている「逆張りデイトレード」をすすめます。
天才じゃなくてもデイトレーダーになれる?
──世の中には年収1億円、2億円というデイトレーダーもいますよね。それについてはどう思われますか。
そういう人は、僕ら常人にはない、何か特別な才能を持っているんだと思います。これは感覚値ですが、他に一切収入源がなく、トレード一本で生活できる「専業」デイトレーダーになれるのって5%程度だと思うんです。もちろん僕も「専業」ではないので、この5%には入れなかったということです。
今、100人デイトレーダーになったとしたら、おそらく70人は数カ月で資金がショートして撤退します。さらに残った30人中20人は1年で離脱。結果、10人残りますが、そのうち半分程度は3年程度で相場の変化に対応できず、淘汰(とうた)されるでしょう。
──3年後には100人が5人になる……。
多く見積もってもそれくらいだと思います。
──しかも、その5人が全員、億トレーダーになれるわけではありませんね。
全員どころか1人もなれないケースが多いと思います。その5人のなかのごく限られた人だけが何千万円、何億円という境地に足を踏み入れることができるんです。
──Rょーへーさんなら可能性があるのでは、と思うのですが。
いえいえ、僕は天才じゃないから無理です。それは最初の1年間負け続けてはっきりわかりました(笑)。
僕は凡人でも勝てる方法はないか、年収1億円は無理でも数百万円なら可能なのではないかと考えました。それで逆張りデイトレードという方法にたどり着き、何とか生き延びてきました。
──Rょーへーさんのマネをすれば、天才でなくても成功できるでしょうか。
人によって向き不向きがあるので、同じやり方で誰でもうまくいくとは限りません。ただ、一握りの天才でなくてもデイトレーダーになれるかと聞かれたら、それは可能だと思います。
──では、デイトレーダーを目指す人にアドバイスをいただけますか。
まずは「専業」でなく、僕のような「兼業デイトレーダー」を目指すことをすすめます。
前回話したように、僕がやっている「逆張りデイトレード」は、勝てる確率が高いときだけ勝負する、という戦法です。逆に言えば、勝てそうにないときは無理に参戦しない。その日の利益は諦めることが大事です。
その上、大勝ちは狙わず、こまめに利確します。つまり、毎月何十万円か稼がなければならないという状況に置かれた人よりも、余裕を持って参戦できる人のほうが勝ちやすい方法だと思います。
──専業だと無理な勝負に挑まざるを得ないので、負けやすいということですね。
はい。僕の場合も学習塾やブログの収入があることが大いに助けになりました。
──先ほど、専業デイトレーダーの生存率は5%と伺いましたが、兼業デイトレーダーならもっとチャンスがあるでしょうか。
それはもうぜんぜん違うと思います。一概に生存率が何%に高まるかはいえませんが、かなりチャンスは広がると思います。
ただ、1つネックがあるとすれば、他の仕事をする場合はトレードをする9時~15時以外の時間を使う必要がある、ということですね。夕方から夜にかけてできる仕事を探すとか、工夫が必要でしょう。
初心者へのアドバイス-楽しむスタイルで、とにかくやってみよう
──よくデイトレーダーはメンタルが大事だと言われますが、メンタルについてはいかがですか。
その通りだと思います。以前、デモトレードの成績を競い合う大会に参加したら、参加者の半数以上がプラス収支でした。お金をかけないので、ハイリスクハイリターンの銘柄で勝負する人が多いようでしたが、それでも好成績を上げていました。
つまり、プレッシャーがなければうまくいくのに、お金がかかってくるとプレッシャーに負けて失敗する人が多いということです。どうやってメンタルを鍛えるかと言われると難しいですが、メンタルが成績を左右するということは意識しておいたほうがいいと思います。
――なるほど。デモトレードは初心者のいい練習になるでしょうか。
前述のようにメンタルが関係しないので、よく「デモトレードに意味はない」と言われたりします。
でも、自分のデモトレード結果と実際のトレード結果を比べて、データ化したり違いを考察したりできれば、得られるものは大きいと思います。
――Rょーへーさんは初心者の頃、本は読まなかったと伺いました。これから始める人にもあまりおすすめしないですか。
用語の意味や知識を吸収するのはいいことですし、本を読むことに反対ではありません。ただ、1つをうのみにしないことが大事です。
投資ブログやYouTubeも、それこそ僕のだけじゃなくたくさんあるので、色々見るのがいいと思います。
その上で自分の目標をもう一度考え、どうなりたい、どういうトレーダーになりたいというものを明確にし、それに近い、近道になると思える誰かをまねしてみるのもいいと思います。
――今回、読者に向けて「リスクなくしてリターンなし」「生きるためにデイトレ」「とにかくやってみる」の3つのメッセージをいただきました。それぞれ簡単に説明していただけますか。
億トレーダーの話もありましたが、どんな世界にもプロがいて、そういう方たちは生き残るために想像以上の努力をされていると思います。デイトレードの世界は、多くのリターンを望むならそれ相応の努力とリスクを覚悟しなければならない世界です。
一方で、裏を返せば、お小遣い稼ぎやいつもより少し贅沢ができるくらいのリターンを求めるのであれば、心が締め付けられるほどのリスクを取る必要はなく、楽しんで投資するスタイルでいいのだと思います。
僕も大きなリスクを取っていたときもありますが、「デイトレをするために生きているのではなく、生きるためにデイトレをしている」「生活や気持ちの余裕を優先して、根を詰めすぎずにいこう」と考えるようになりました。
ですからこれから始める人も考え過ぎず、未経験でも興味があるなら「とにかくやってみる」のがいいと思います。
──始めはとにかくやってみて、いろいろ経験する中でメンタルの強さも培われるのかもしれません。今日はありがとうございました。
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