自粛解除の中、まだ活動を再開していない銘柄が買われている

 新型コロナウイルス感染拡大に端を発する「自粛」が徐々に解除されています。

 2020年5月11日更新の前回記事「アフターコロナ要注目の10万円株。外食、テレワーク関連などの銘柄に追い風」では半導体製造装置、東海道新幹線、回転ずしに関連した主力株を軸に、投資家がどのような行動をしているのかを明らかにした上で、【外食店経営効率化】【ドラッグストア関連】【製造工場再稼働】【テレワーク/パソコン】【日用品安売り】のサブセクターに属する10万円株を参考として取り上げました。

 実はここにきて驚くべき動きが見られています。それは「まだ活動を再開していない銘柄が買われていること」です。

 コロナウイルス感染拡大抑止のため自粛を続けている企業は多くあります。象徴的なのは、東京ディズニーランド/ディズニーシーを中核とする東京ディズニーリゾートを運営する「オリエンタルランド(4661・東証1部)」でしょう。

 東京ディズニーランド/ディズニーシーは2月29日から臨時休園措置が継続されています。このような長期間の休園は1983年の開園以来、初めてのことです。同株は1月15日に1万6,075円の高値をつけていたものの、コロナ禍によって3月13日に1万1,250円まで売られました。現在は以下の水準に位置しています。

・(参考)オリエンタルランド(4661)の日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

 オリエンタルランドは5月8日、東京ディズニーランド/ディズニーシーの再開時期について「政府、自治体の休業要請が解かれた段階で再開時期を判断する」としています。

 すでに、中国・上海ディズニーランドは5月11日に営業を再開し、米ウォルト・ディズニー社は、5月20日からフロリダ州にあるテーマパーク「ディズニーワールド」に併設する商業施設を再開しています。オリエンタルランドについて投資家は「再開期待」を拠り所に行動しているものと見られます。