REITが日経平均よりも大きく下落する異常事態に

 コロナ・ショックが起こり、東証REIT指数も、日経平均株価も急落しました。驚くことに、東証REIT指数の下落率が、日経平均の下落率よりも大きくなっています。

 どちらもコロナ・ショックでダメージを受けていることは同じですが、一般的にはオフィスビルなどに投資するREITのダメージは、日本株全体が受けるダメージよりも、相対的に小さいと考えられます。にもかかわらず、東証REIT指数の方が大きく下げているのは、異常だと考えられます。それだけ、REITに投資する機関投資家の売りが、強引だったのではないでしょうか。

東証REIT指数と日経平均の年初来の推移比較:2019年末~20年4月22日

注:2019年末の値を100として指数化

 東証REIT指数の年初来の動きを振り返ります。グラフ中の【1】~【5】の動きを解説します。

【1】上昇
コロナ・ショックで日経平均がじりじり下げる中、REITは上昇。世界経済に不安が高まり、金利低下が進む中、利回りを求める投資家が、REITの組み入れを増やした。

【2】下落
新型コロナウイルスの感染が欧米にも拡大。世界的に株が急落。日経平均も急落する中、東証REIT指数も下落に転じる。ホテルREITなどに、コロナ・ショックによるマイナス影響が及ぶことが懸念される。

【3】急落
機関投資家の売りで急落。流動性が低いREIT市場に、一時に大量の売りが出たために、日経平均を上回る下げとなる。

【4】反発
急落により、分配金利回りが一時6.7%まで上昇したことに着目した投資家の買いで反発。

【5】上値重い
反発によって、平均分配利回りは、5%前後まで低下。コロナ・ショックで、ホテルREITや流通REITがダメージを受けていることが分かり、上値が重くなる。好調だった、オフィスREITも、コロナ・ショックの影響で、やや需給が緩む。

 ここまで「REITとは何か」解説しないまま、市場動向を説明しました。次のページで、REITの基礎知識について、解説します。